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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
西日本最大の都市圏を抱える大阪府は、薬剤師の求人が多い人気エリアです。一方で「大阪は薬剤師の給料が安い」というイメージを持つ人もいます。実際のところはどうなのでしょうか。
結論から言うと、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から算出した大阪府の薬剤師の平均年収は約532.7万円で、47都道府県中41位でした。ただし中身を分解すると、男性は約660.7万円と全国の男性を上回る一方、女性は約508.1万円で、フルタイムの薬剤師の約84%を女性が占めています。この構成が、府全体の平均を押し下げているのです。
この記事では、大阪府の薬剤師の年収を月給・賞与・男女別まで分解し、関西の他府県との比較、国の薬剤師偏在指標から見る需給、大阪で年収を上げる考え方を、公的な統計をもとに整理しました。
- 令和7年の統計で見る大阪府の薬剤師の平均年収と、その内訳
- 男女別に見ると見えてくる、大阪の平均が低めに出る理由
- 関西6府県の年収比較と、国の薬剤師偏在指標
- 大阪で年収を上げるための考え方と、統計を読むときの注意点
大阪府の薬剤師の平均年収
令和7年賃金構造基本統計調査(都道府県別第3表)の薬剤師の値から、「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で年収を算出しました(10人以上の事業所)。
月給は全国より約2.7万円低く全国39位ですが、賞与は全国との差が約1.4万円と小さく、差の大部分は月給から生まれています。平均年齢は全国とほぼ同じで、年齢構成による偏りは小さいといえます。残業時間は月11時間と全国並みです。大阪府の転職事情全体は大阪の薬剤師転職ガイドで解説しています。
男女別に見ると見えてくる大阪の特徴
男性は全国の男性(約605.7万円)を約55万円上回る一方、女性は全国の女性(約539.4万円)を約31万円下回り、男女差は約152.6万円と全国の約66万円の2倍以上に広がっています。フルタイムの薬剤師の約84%が女性で、全国(約59%)よりはるかに高いため、女性の年収水準が府全体の平均を大きく左右しています。女性の勤続年数が6.6年と短いことも、背景の一つと考えられます。
大阪の平均年収の低さは、「大阪の薬局はどこも給料が安い」という意味ではありません。女性の勤続年数が短く、キャリアが途切れやすいことが平均に表れていると考えられます。長く働き続けられる職場を選ぶことが、大阪ではとくに年収に直結します。
関西6府県の年収比較
関西では、和歌山県・滋賀県が600万円を超える一方、大阪府・兵庫県という大都市を抱える府県が下位に並びます。大阪に住みながら、京都府・奈良県・滋賀県など近隣の職場に通うことで年収が上がる可能性もあります。47都道府県の比較は都道府県別の転職ガイド、関西全体の転職事情は関西の薬剤師転職ガイドで解説しています。
大阪からは京都・奈良・兵庫への通勤圏が広く、県境をまたいだ転職は珍しくありません。府内だけで探すより、通える範囲の近隣府県まで広げてみると、同じ通勤時間で条件の良い職場が見つかることがあります。
薬剤師偏在指標から見る大阪の需給
厚生労働省の「薬剤師偏在指標」は、薬剤師が必要とされる業務量に対して、実際に働く薬剤師の労働時間がどれだけあるかを示す指標で、1.0を上回るほど薬剤師が多い地域になります。薬局薬剤師の指標は、大阪府が1.12、兵庫県が1.19で、いずれも「薬剤師多数都道府県」に区分されています。全都道府県ベースの値は1.08です。
大阪府・兵庫県は全国より薬剤師に余裕があり、給与を上乗せして人を集める必要性が比較的低い地域だといえます。首都圏でも、偏在指標の高い東京都・神奈川県ほど年収が低い傾向が見られ、薬剤師が多い都市部ほど年収が低めに出るという構造は、大阪にも当てはまります。
薬剤師が多い地域は、裏を返せば職場の選択肢が多い地域でもあります。平均が低くても、比べる母数が多いぶん、相場より良い条件の職場に出会える可能性は十分にあります。大阪では「たくさん比べて選ぶ」ことが大きな武器になります。
大阪で年収を上げる考え方
大阪は大阪市内の都市部から、北摂・南河内などの郊外まで、エリアによって薬剤師の集まり方が違います。府の平均だけで判断せず、通える範囲の求人を広く比べてみることが大切です。
大阪で年収を上げたいなら、まず「この職場で長く働けるか」を確認するのがおすすめです。育休の取得実績や、育休明けに管理薬剤師へ戻った人がいるかを聞いてみると、長く働いて年収を伸ばせる職場かどうかが見えてきます。
大阪の年収データを読むときの注意点
府の平均は、傾向をつかむための目安です。大阪府は統計の対象者数が全国で3番目に多いため比較的安定していますが、それでも年による動きはあるので、複数年の傾向で判断しましょう。実際の年収は、職場の種類・役職・経験年数で大きく変わります。職場別の年収は職場別の薬剤師の年収、男女の年収差の背景は薬剤師の男女の年収差で解説しています。
統計の平均は、自分の相場を知るための物差しの一つです。大阪のように男女で水準が大きく違う地域では、とくに自分と同じ性別・年代の数字と比べることが大切です。
よくある質問
まとめ
大阪府の薬剤師の年収について、要点を整理します。
- 大阪府の平均年収は約532.7万円で全国41位(令和7年)
- 男性は全国の男性を上回るが、女性が約84%を占め、女性の水準が平均を押し下げている
- 薬局薬剤師の偏在指標は1.12で、全国より薬剤師に余裕がある都市型の構造
- 長く働ける職場・管理薬剤師・近隣府県まで広げた比較が年収アップの鍵
大阪は平均年収こそ低めですが、求人の母数が多く、比べて選べる地域です。長く働き続けられる職場を、近隣府県まで視野に入れて探していきましょう。

