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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
スマートフォンやパソコンの画面越しに服薬指導を行うオンライン服薬指導。制度が整い、対応する薬局が少しずつ増えています。「やったことがないけど大丈夫か」「これからの転職に有利なのか」と気になっている薬剤師も多いのではないでしょうか。
この記事では、オンライン服薬指導の法令上の位置づけ、業務の流れ、令和8年度の調剤報酬改定での扱い、経験が転職で強みになる理由、対応する転職先の見極め方を、公的な資料をもとに整理します。
この記事でわかること
- オンライン服薬指導の仕組みと、法令で定められた要件
- 実際の業務の流れ
- 令和8年度の調剤報酬改定でどう扱われることになったか
- 経験が転職で強みになる理由
- 対応している転職先の見極め方と、面接で聞くべきこと
オンライン服薬指導とは
30秒でわかる要点
オンライン服薬指導は、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら行う服薬指導です。薬機法第9条の4に位置づけられ、具体的な要件は施行規則で定められています。音声のみの電話は認められていません。令和8年度の調剤報酬改定では、在宅患者向けのオンライン薬剤管理指導料が服薬管理指導料に一本化され、評価の整理が進みました。指導の中身は対面と同じで、違いは通信手段と薬の受け渡し方法です。
オンライン服薬指導とは、映像と音声を使い、相手の状態を互いに認識しながら行う服薬指導のことです。薬局に来られない患者に対し、自宅などから画面越しに薬の説明や注意点を伝えます。
法令上の位置づけ
医薬品医療機器等法(薬機法)第9条の4では、薬剤を販売または授与する際の薬剤師による服薬指導について、対面によるもののほか、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法によるものが認められています。具体的な要件は、薬機法施行規則第15条の13第2項に定められています。
ここから分かるとおり、映像と音声の両方が必要です。声だけの電話による指導は、この方法には当たりません。画面を通して患者の様子を確認しながら、対面と同じ質の指導を行うことが求められます。記録やプライバシーの保護も、対面と同様に重視されます。
制度としては令和2年に始まり、令和4年の省令改正で要件が見直されました。この改正により、薬局内のほか、その薬局で調剤に従事する薬剤師と相互に連絡をとることができる場所でも実施できるようになっています。
出典:厚生労働省「オンライン服薬指導の実施要領について」(令和4年9月30日 薬生発0930第1号)(法令等データベース)
「画面越しでちゃんと指導できるのか」と不安に思う気持ちはよくわかります。でもやってみると、対面と同じく患者さんの顔色や様子を見ながら話せて、意外と自然です。新しいスキルというより、これまでの服薬指導の延長線上にあるものだと考えてください。
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実際の流れをつかんでおくと、イメージしやすくなります。大まかには次のように進みます。
調剤や服薬指導という中身は、対面のときと変わりません。違うのは、指導を画面越しに行う点と、薬の受け渡しに配送が加わる点です。慣れれば、流れ自体は難しくありません。むしろ負担になりやすいのは、予約の管理や配送の手配といった周辺業務です。この部分の仕組みが整っているかどうかで、働きやすさが変わります。
制度と報酬の動き|令和8年度改定での扱い
オンライン服薬指導に対応する薬局が増えている背景には、いくつかの後押しがあります。
一つは、電子処方箋やマイナンバーカードの健康保険証利用が広がり、受診から薬の受け取りまでをオンラインで進めやすくなったことです。もう一つは、共働きの子育て世帯や、通院が負担になる高齢者、近くに薬局が少ない地域の人など、利用したい人のニーズがあることです。
評価が服薬管理指導料に一本化された
令和8年度の調剤報酬改定では、調剤報酬の簡素化の一環として、オンラインでの薬剤管理指導に関する評価が整理されました。具体的には、在宅患者オンライン薬剤管理指導料と在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料が削除され、服薬管理指導料の「情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合」という区分に一本化されています。
出典:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」(厚生労働省)。算定要件や施設基準の詳細は、告示・通知をご確認ください。
同じ改定では、医療のデジタル化に関する評価も整理され、医療情報取得加算が廃止される一方、電子的調剤情報連携体制整備加算への再編が行われました。また、後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算が統合され、地域支援・医薬品供給対応体制加算が新設されています。薬局に求められる体制そのものが動いている時期だといえます。
経験が転職で強みになる理由
オンライン服薬指導の経験は、これからの転職で強みになります。理由は次のとおりです。
- 対応する薬局が増えている:仕組みを整える薬局にとって、経験者は立ち上げを任せられる存在になります
- 対人業務を重視する流れに合っている:改定でも対人業務の評価が拡充されており、その方向に沿った経験です
- 新しい業務への適応力を示せる:仕組みが変わる時期に、変化に対応できることは職種を問わず評価されます
面接では、経験の有無だけでなく中身を語れると強くなります。月にどのくらい対応していたか、どんなシステムを使っていたか、配送や予約の管理をどう回していたか。この3点を答えられる状態にしておくと、即戦力として伝わりやすくなります。
「オンライン服薬指導の経験があります」と言えると、それだけで話が広がります。多くの薬局がこれから取り組む分野なので、経験者はまだ多くありません。今の職場で対応しているなら、積極的に手を挙げて経験を積んでおくのがおすすめです。
対応する転職先の見極め方
体制が整っているか
オンライン服薬指導には、通信に使うシステムと、薬を届ける仕組みが欠かせません。これらが整っているかどうかで、働きやすさが大きく変わります。どんなシステムを使い、配送はどのように行っているかを確認しましょう。処方箋の受け取りに電子処方箋を使っているかどうかも、実務の流れに影響します。
実施件数と方針
同じ「対応あり」でも、実際にどれだけ実施しているかは薬局によって差があります。形だけの体制では経験を積めません。月にどのくらい実施しているか、今後増やす方針かを聞いてみると、取り組みの度合いが見えてきます。
研修やサポートの有無
未経験から始めるなら、操作や進め方を教えてくれる体制があると安心です。誰が教えるのか、最初は同席してもらえるのか、手順書があるのかまで確認できると、入職後の不安が減ります。
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薬剤師の転職体験談まとめ|リアルな成功・失敗ケースと教訓気をつけたいのが「対応はしているけれど、実際はほとんどやっていない」薬局です。これだと経験は積めません。件数と今後の方針を具体的に聞いて、前向きな答えが返ってくるかを見てください。
よくある質問
まとめ
- オンライン服薬指導は、映像と音声で相手の状態を相互に認識しながら行う服薬指導
- 薬機法第9条の4に位置づけられ、音声のみの電話は該当しない
- 流れは対面とほぼ同じで、通信手段と薬の受け渡しが異なる
- 令和8年度改定で、在宅患者向けの指導料が服薬管理指導料に一本化された
- 経験者はまだ多くなく、立ち上げを担える人材として評価されやすい
- 転職先はシステムと配送の体制、実施件数、教育の有無で見極める
オンライン服薬指導は、これから多くの薬局に広がっていく業務です。今の職場で対応しているなら積極的に経験を積み、これから挑戦するなら体制の整った薬局を選びましょう。求人票では分からない実施状況は、面接や見学で必ず確認してください。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。オンライン服薬指導の要件や調剤報酬の内容は改正されることがあります。算定要件や施設基準の詳細は告示・通知によるため、最新の内容は厚生労働省の公表情報をご確認ください。

