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くらげ|現役薬剤師。調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信。薬剤師目線でエージェントを徹底調査しています。
転職先が決まり、入社の準備を進めるなかで「健康診断書を提出してください」と言われて戸惑う方は少なくありません。「そもそも必要なの?」「いつ受けたものならいいの?」「費用は自分持ち?」と、疑問が次々わいてくるところです。
この記事では、薬剤師が転職するときに健康診断書が必要になる理由から、有効期限・費用・受ける場所、そして賢く費用を抑えるコツまで、現役薬剤師の視点でわかりやすく整理します。入社直前にあわてないよう、早めにポイントを押さえておきましょう。
この記事でわかること
- 薬剤師の転職で健康診断書が求められる法的な理由
- 検査される11の項目と、有効期限の正しい考え方
- 費用は誰が払うのか、どこで受けられるのか
- 在職中の定期健診を使って費用を抑える方法
薬剤師の転職で健康診断書は必要?
結論からいうと、薬剤師の転職では健康診断書の提出を求められることが多いです。これは職場側の気まぐれではなく、法律にもとづいた背景があります。まずはその理由から押さえましょう。
健康診断書が必要になる法的な理由
労働安全衛生規則の第43条では、事業者が常時使用する労働者を雇い入れるとき、医師による健康診断を行わなければならないと定められています。これが「雇入時の健康診断」と呼ばれるもので、薬剤師として正社員などで採用される場合も対象です。職場がこの義務を果たすために、入社予定者へ健康診断書の提出を求める、というわけです。
この健診は職場にとって義務であり、行わなかった場合には罰則が科される可能性もあります。だからこそ、求められたら早めに準備しておくのが安心です。
すべての転職で必ず必要とは限らない
一方で、短時間のパートや単発の派遣など、雇用の形によっては雇入時健診の対象外になることもあります。また、職場によっては入社後に自社の指定する場所でまとめて受診させる方針のところもあり、その場合は応募者が自分で用意する必要はありません。求められるかどうかは職場ごとに異なるため、内定後に「健康診断書は必要ですか」と確認しておくとスムーズです。
転職のたびに毎回受け直すのはもったいない、と感じる方は多いです。でも、健診は自分の体調を見直すいい機会でもあります。私は転職のときに受けた健診で数値の変化に気づき、生活を見直したことがありました。前向きにとらえると、ちょっと気持ちが軽くなりますよ。
健康診断書の中身と有効期限
いざ受けるとなると、どんな検査をするのか、いつ受けたものまで有効なのかが気になります。それぞれ見ていきましょう。
検査される11の項目
雇入時の健康診断では、次の11の項目を検査することが定められています。一般的な定期健診とほぼ同じ内容です。
| 番号 | 検査項目 |
|---|---|
| 1 | 既往歴・業務歴の調査 |
| 2 | 自覚症状・他覚症状の有無の検査 |
| 3 | 身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査 |
| 4 | 胸部エックス線検査 |
| 5 | 血圧の測定 |
| 6 | 貧血検査 |
| 7 | 肝機能検査 |
| 8 | 血中脂質検査 |
| 9 | 血糖検査 |
| 10 | 尿検査 |
| 11 | 心電図検査 |
血液検査や心電図が含まれるため、受診には1時間ほどかかります。空腹で受ける必要がある検査もあるので、受診日の朝は飲食を控えるよう事前に案内されることが多いです。
有効期限は「3ヶ月以内」が基本
見落とされがちなのが有効期限です。雇入時健診を省略できるのは、入社前の3ヶ月以内に受けた健診の結果を提出した場合とされています。つまり「3ヶ月以内に受けたもの」を一つの目安と考えておけば安心です。半年前や1年前に受けた結果では、受け直しを求められることがあります。
ここを間違えやすい
- 「6ヶ月以内ならいい」と思い込み、古い結果を出してしまう
- 11項目のうち一部が欠けていて、再受診になる
- 入社直前に予約しようとして、希望日が埋まっている
職場によっては独自の用紙を指定してくることもあります。その場合は、その用紙を持って受診しないと書き直しになってしまうので要注意。健診を予約する前に「指定の様式はありますか」と一言確認しておくと、二度手間を防げます。
費用は誰が払う?どこで受ける?
費用負担のルールと相場
雇入時健診の費用について、誰が負担するかは法律で明確に決められていません。ただ、健診の実施は事業者の義務であることから、本来は職場が負担すべきという考え方が一般的です。とはいえ実際には、入社前に応募者が自費で受け、結果を提出する形をとる職場も多くあります。このあたりは職場の方針しだいなので、内定後に費用負担について確認しておくと安心です。
自費で受ける場合の相場は、医療機関にもよりますが、おおむね5,000円から12,000円ほどです。検査項目が多いほど費用は上がります。
在職中なら定期健診の結果で代用できることも
ここが費用を抑える大きなポイントです。今の職場で受けている定期健診は、雇入時健診とほぼ同じ項目が含まれています。退職前にその結果のコピーを手元に確保しておけば、転職先でそのまま提出できる場合があります。タイミングが合えば、わざわざ自費で受け直す必要がなくなります。
費用を抑えるコツ
- 退職前に、今の職場の定期健診結果のコピーを必ずもらっておく
- 提出する結果に11項目がそろっているか事前に確認する
- 受け直しになる場合は、複数の医療機関で費用を比べる
受ける場所は、内科のクリニックや健診センター、総合病院の健診部門などです。雇入時健診に対応しているかを電話で確認してから予約しましょう。人気の医療機関は予約が取りにくいこともあるため、早めの行動が肝心です。
転職活動を始めたら、まず今の職場の直近の健診結果を探しておくのがおすすめです。退職してからだと再発行に手間がかかります。私はいつも、健診結果は写しを取って自宅に保管するようにしています。いざというとき本当に役立ちますよ。
健康診断書でよくある不安
結果が悪いと不採用になる?
数値に気になるところがあると、「これで内定が取り消されるのでは」と不安になるものです。しかし、雇入時健診はあくまで入社後の健康管理に役立てるためのものであり、結果が思わしくないことを理由に一方的に内定を取り消すことは、原則として認められません。多少の数値の乱れで不採用になることは基本的にないので、過度に心配しすぎないでください。気になる項目があれば、入社後に産業医や職場と相談しながら無理のない働き方を整えていけば大丈夫です。
よくある質問
まとめ
薬剤師の転職で健康診断書が必要になる理由と、賢い準備の仕方を整理しました。最後にポイントをおさらいしましょう。
- 雇入時健診は法律で事業者に義務づけられており、薬剤師の転職でも提出を求められることが多い
- 有効期限は「入社前3ヶ月以内」が基本。古い結果は受け直しになることがある
- 費用は職場が負担すべきが原則だが、自費で受けるよう求める職場も多い。相場は5,000〜12,000円ほど
- 退職前に今の職場の定期健診結果を確保しておけば、受け直しの手間と費用を省ける
健康診断書は、早めに動けば決してハードルの高い書類ではありません。内定が出たら必要書類を確認し、余裕を持って準備を進めれば、気持ちよく新しい職場をスタートできます。あなたの転職がよい形で実りますように。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。法令の改正や運用の変更により内容が変わる可能性があります。費用や提出書類の取り扱いは職場によって異なるため、詳細は転職先にご確認ください。

