この記事を書いた人
くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
転職エージェントに登録したものの、「担当者と何だか合わない」「希望とずれた求人ばかり紹介される」と感じることはありませんか。かといって、変更をお願いするのは申し訳ない気がして、言い出せずに我慢してしまう方も多いものです。
結論から言うと、担当者の変更を申し出ることは、遠慮すべきわがままではありません。職業紹介事業者には、求職者からの苦情に対応する窓口をあらかじめ用意し、迅速かつ適切に処理する体制を整えることが、国の指針で求められているからです。この記事では、変更を判断する基準、申し出るのに適したタイミング、角を立てない伝え方の文例、そして変更しても解決しないときの最終手段までを具体的に解説します。
この記事でわかること
- 担当者は途中でも変更でき、申し出ても不利にならない制度上の理由
- 担当者を変更すべき5つのサインと、自分の伝え方の問題との見分け方
- 選考の段階別・変更を申し出るのに適したタイミング
- 角を立てずに伝える方法と、そのまま使えるメール文例・電話トーク例
- 避けたい言い方と、置き換えるべき表現の対応表
- 変更後にスムーズに進めるためのひと工夫
- それでも解決しないときの相談先(公的窓口を含む)
結論|担当者は途中でも変更でき、不利にはならない
要点:担当者の変更は転職活動の途中でも申し出られる。事業者には苦情相談の窓口を用意し、迅速に対応する体制整備が国の指針で求められている。
転職エージェントの担当者は、転職活動の途中であっても変更できます。「お願いしたら印象が悪くなるのでは」「選考で不利になるのでは」と心配する方は多いのですが、変更を申し出たことで不利な扱いを受けることは基本的にありません。
その理由は、事業者側の善意だけではありません。厚生労働省の指針および職業紹介事業の業務運営要領では、職業紹介事業者に対して次のような対応が求められています。
国の指針が事業者に求めていること
- 求職者からの苦情について、あらかじめ苦情相談の窓口と対応方法を明確にしておくこと
- 苦情を受けた年月日・内容・対応の経過を記録するなどして、適切に処理すること
- 苦情を迅速かつ適切に処理するための体制を整備し、改善向上に努めること
- 対応した場合は、守秘義務に配慮したうえで申し出た人に結果を報告すること
- 求職者の能力の的確な把握に努め、業務の範囲内で可能な限り幅広い求人の確保に努めること
出典:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」および職業紹介事業者等が均等待遇、労働条件等の明示等に関して適切に対処するための指針
つまり「担当者と合わないので変えてほしい」という申し出には、受け止めるべき窓口があらかじめ用意されているということです。遠慮して我慢するのは、用意されている仕組みを使わずに損をしているのと同じです。
加えて、事業者にとっても相性の悪いまま活動が止まってしまうより、合う担当者に引き継いで納得のいく転職をしてもらうほうが望ましい構造になっています。採用が決まって初めて事業所から報酬を受け取る仕組みだからです。
担当者との相性は、転職の成否を左右する大きな要素です。私の知人にも、最初の担当者と合わずに活動が止まりかけたものの、変更したとたんトントン拍子に決まった人がいます。我慢して続けるより、早めに動いたほうが結果的に近道になることは少なくありません。
担当者を変更すべき5つのサイン
要点:一度きりのすれ違いは伝え方で改善することも多い。「伝えたのに変わらない」が2回続いたら、担当者側の問題と考えてよい。
「ただ何となく合わない」だけでなく、次のようなサインが続くなら、変更を前向きに考えてよいタイミングです。
担当者の問題か、伝え方の問題かを見分ける
変更を申し出る前に、原因がどちらにあるかを一度切り分けておくと、次の担当者でも同じことが起きるのを防げます。
一度や二度のすれ違いなら、こちらの伝え方を見直すだけで改善することもあります。でも、何度伝えても変わらない、話していて疲れてしまう、と感じるなら、それは相性のサインです。自分を責める必要はありません。合う・合わないは、誰にでもあることです。
変更を申し出るのに適したタイミング【段階別】
要点:早いほどよい。ただし面接日程の調整中と内定後の条件交渉中だけは、引き継ぎの事故が起きやすいため段取りに注意する。
変更そのものはいつでも申し出られますが、選考の進み具合によって注意点が変わります。
⚠ 進行中の案件は必ず手元に控える
応募済みの事業所名、選考の段階、提示されている条件、次のやり取りの予定。この4点は自分でも記録しておいてください。引き継ぎの抜けに気づけるのは、結局のところ本人だけです。
「もう選考が進んでいるから今さら言えない」と考えて我慢する方が多いのですが、実は逆です。進むほど引き継ぎの負担は増えるので、迷った時点が一番動きやすいタイミングです。1社目の面接で違和感があったなら、そこで一度立ち止まってよいと思います。
変更を申し出る前に確認したい3つのこと
申し出る前に3点だけ整理しておくと、次の担当者とのミスマッチを防げます。
① 自分の希望に優先順位をつける
「勤務地と年収は必ず叶えたい」「残業の少なさは歓迎」というように、絶対に譲れない条件と、あれば嬉しい条件を分けます。譲れない条件は3つまでに絞るのがコツです。増やすほど紹介できる求人が消えていきます。
② 原因が担当者個人か、サービス全体かを考える
求人の量そのものが少ない、対応地域が自分の希望とずれている、といった場合は担当者を変えても状況は変わりません。事業者ごとに得意な職場の種別や地域が異なるため、この場合は別の事業者を試すほうが早く解決します。
③ 変更を申し出る窓口を先に調べておく
多くの事業者は公式サイトに問い合わせフォームや専用の連絡先を用意しています。指針でも苦情相談の窓口をあらかじめ明確にしておくことが求められているため、探せば必ず見つかります。連絡先を確認してから動くと、迷いが減ります。
担当者変更の伝え方と文例
要点:現担当者本人ではなく窓口へ。伝えるのは「事実としての理由」と「次の担当者に求めること」の2つだけでよい。
基本は現担当者本人ではなく窓口へ
変更の希望を現在の担当者本人に直接伝えるのは避けます。本人に言うと、どうしても遠慮が生じて理由をはっきり伝えづらく、引き継ぎがスムーズに進まないこともあるためです。多くの事業者には問い合わせ窓口や別の連絡先が用意されているので、そちらを使います。
3つの申し出方法
避けたい言い方と、置き換える表現
同じ内容でも、書き方ひとつで受け取られ方が変わります。人柄への批判ではなく、起きている事実として伝えるのがコツです。
メールの文例
変更したい理由を簡潔に伝え、次の担当者に求めることを添えると、ミスマッチを防げます。選考が進行中の場合は、その状況も必ず書き添えてください。
ご担当者様
お世話になっております。会員登録をしております、◯◯(氏名)と申します。
日ごろ転職のサポートをいただき、ありがとうございます。
たいへん恐縮なのですが、担当の方を変更していただくことは可能でしょうか。
ご返信までにお時間がかかることが多く、自分の希望をうまくお伝えしきれていないように感じております。
可能であれば、薬剤師の転職に詳しく、こちらの事情にあわせて進めてくださる方にご担当いただけますと幸いです。
なお、現在は下記の選考が進行中です。引き継ぎの際にご配慮いただけますと助かります。
・◯◯薬局(書類選考中/◯月◯日応募)
・◯◯病院(一次面接の日程調整中)
勝手なお願いで恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
◯◯(氏名)/会員番号・連絡先
電話で伝える場合のトーク例
(窓口の担当者から理由を聞かれたら)
「今の担当の方には丁寧に対応いただいているのですが、ご連絡のタイミングが合わないことが多く、希望をうまくお伝えできていないように感じています。薬剤師の業界事情に詳しい方にご担当いただけると助かります。」
(進行中の選考があれば)
「なお、◯◯薬局の書類選考が進んでおり、◯◯病院は面接日程の調整中です。引き継ぎでお伝えいただけますでしょうか。」
「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
電話で伝えるときのポイント
- 窓口の担当者は現担当者ではないため、率直に理由を伝えて問題ありません
- 感情的にならず、起きた事実を簡潔に伝えます
- 進行中の選考は必ず口頭で伝え、あとからメールでも送っておくと確実です
- 「いつまでに次の担当者から連絡がもらえるか」を最後に確認しておくと安心です
理由を伝えるときは、相手を責める書き方ではなく「自分の希望をうまく伝えきれていない」というやわらかい表現にすると角が立ちません。それでいて、求める担当者像を添えておけば、次はぐっと相性のよい人に出会いやすくなります。伝え方ひとつで、気持ちよく切り替えられますよ。
変更後、スムーズに進めるためのひと工夫
新しい担当者に代わったあと、最初のやり取りで次の3点を伝えておくと、引き継ぎのズレを防ぎやすくなります。
① これまでの経緯を簡潔に伝え直す
引き継ぎ内容がすべて正確に伝わっているとは限りません。「これまで◯件ほど求人を紹介いただき、△△という点が希望と合いませんでした」のように簡潔に共有すると、二度手間を防げます。進行中の選考は事業所名と段階まで書きます。
② 希望条件をあらためて言語化して伝える
「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けて、新担当者にも改めて伝えます。前の担当者とのやり取りで感じたずれがあれば、それも具体的に共有すると精度が上がります。
③ 連絡方法と頻度の希望を最初に伝える
「日中は電話に出られないのでメールで」「連絡は週1回程度で十分です」など、最初に伝えておくと、新しい関係をストレスなく築けます。前回うまくいかなかった原因がここにあった場合は、特に重要です。
せっかく変更したのに、同じことが繰り返されるのが一番もったいないパターンです。最初のやり取りで条件と連絡方法を文章にして送ってしまうのが確実です。口頭だけだと、担当者が変わったときにまた消えてしまいます。
それでも解決しないときの選択肢
要点:相性の問題なら別の事業者を併用する。事業者の対応そのものに問題があるなら、都道府県労働局に相談できる。
相性の問題なら、別の事業者を併用する
担当者を変えても改善しない場合、問題は事業者そのものにあるのかもしれません。事業者ごとに得意な職場の種別や地域、進め方は異なります。複数に登録しておけば担当者やサービスを比べられ、自分に合うほうを主軸にできます。合わない担当者に当たったときの保険にもなるため、はじめから2社ほど登録しておくのが現実的です。
事業者の実績は公的に確認できる
次にどこへ登録するかを口コミで決める必要はありません。職業紹介事業者には、厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトで事業実績を公表する義務があります。各年度の就職者数、期間の定めのない労働契約を結んだ人の数、そのうち就職から6か月以内に解雇以外の理由で離職した人の数、手数料、返戻金制度の有無などを誰でも閲覧できます。早期離職の比率は、マッチングの質を推し量る材料になります。
対応そのものに問題があるときの公的相談先
窓口に申し出ても取り合ってもらえない、事実と異なる労働条件を提示された、といった場合は、都道府県労働局の需給調整事業を担当する部署に相談できます。職業紹介事業者に対する指導監督を行う部署で、指針では、対面を伴わない職業紹介を行う事業者について苦情処理が適切に実施されるよう特に留意するとされています。滅多に使う場面ではありませんが、行き先があると知っているだけで気持ちが違います。
当サイトが利用者の口コミを載せていないのは、誰が書いたかを検証できないためです。次の登録先を選ぶときは、口コミの星の数より人材サービス総合サイトの数字を見てください。各社の公式サイトの下部にある許可番号を控えて検索するだけで、5分ほどで確認できます。
よくある質問
まとめ
エージェントの担当者変更について整理しました。最後にポイントをおさらいします。
- 担当者は途中でも変更でき、申し出ても不利にはならない。職業紹介事業者には苦情相談の窓口を明確にし、迅速に対応する体制を整えることが国の指針で求められている
- 変更のサインは5つ。連絡の遅さ、希望とのずれ、業界知識の不足、強引さ、事情を聞かない姿勢。とくに業界知識の不足は時間では解決しない
- タイミングは早いほどよい。ただし面接の日程調整中と内定後の条件交渉中は、進行中の内容を文章にまとめてから申し出る
- 申し出先は現担当者本人ではなく窓口。人柄を責めるのではなく、起きている事実と次の担当者に求めることを伝える
- 変更後は経緯・希望条件・連絡方法を文章で伝え直す。口頭だけだと同じことが繰り返される
- それでも合わなければ別の事業者を併用する。次の登録先は人材サービス総合サイトの実績で選ぶ。対応そのものに問題があれば都道府県労働局に相談できる
担当者との相性は、転職の満足度に直結します。合わないまま我慢して進めるより、早めに環境を整えたほうが、結果的に納得のいく転職に近づきます。遠慮せず、自分に合うサポートを選んでください。あなたの転職がよい形で実りますように。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。職業紹介事業者の苦情処理体制・求職者の個人情報の取扱い・事業実績の公表義務については、職業安定法および厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」ならびに関連指針に基づいて記載しています。担当者変更の可否や具体的な手続き方法は事業者によって異なる場合があるため、詳細は各社の案内をご確認ください。

