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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
薬剤師の年収は、年代によって数百万円単位で変わります。国の調査では、もっとも低い年代ともっとも高い年代の差が約350万円にのぼるほどです。これは、経験年数や役職、勤務先の違いが年収の伸び方を大きく左右するためです。
実際、厚生労働省の調査では20代前半の平均年収が300万円台後半なのに対し、ピークとなる50代前半では700万円を超えます。この記事では、薬剤師の平均年収を年代別に比較し、それぞれの年代で年収がどう変わり、なぜ変わるのかを、国の調査データをもとに現役薬剤師の視点で整理します。自分の年収を見直すきっかけや、これからのキャリアを考える手がかりにしてください。
この記事でわかること
- 薬剤師の年代別の平均年収がひと目でわかる早見表(出典・時点つき)
- 年代ごとに年収が変わる理由
- 同じ年代でも年収に差がつく4つの要因
- 最新調査(令和7年)でのデータの変化
- 自分の年収が相場より低いと感じたときの考え方
薬剤師の年代別 平均年収の早見表
結論から言うと、薬剤師の平均年収は年代が上がるほど右肩上がりに増え、50代前半でピークの744.7万円に達したあと、60代にかけて緩やかに下がります。以下は、厚生労働省の調査をもとにした年代別の目安です。
| 年代 | 平均年収の目安 | 傾向 |
|---|---|---|
| 20代 | 約450万円 (前半300万円台後半→後半500万円台) |
スタート地点。これから伸びていく時期 |
| 30代 | 約580万円 (前半550万円台→後半600万円台前半) |
経験を積み、最も大きく伸びやすい時期 |
| 40代 | 約636万円※1 | 管理職に就く人が増え、高水準に |
| 50代前半 (50〜54歳) |
744.7万円 (全年代のピーク) |
管理職経験者が多く、生涯で最も高い水準 |
| 50代後半 (55〜59歳) |
709.3万円 | ピーク後も高水準を維持 |
| 60代以降 | 約622万円※2 | 再雇用などで勤務形態が変わり、ゆるやかに下降 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(2024年6月分、一般労働者・企業規模計10人以上)を基に作成。薬剤師全体の平均年収は599万3,200円。
※1・※2は同調査を基にした薬剤師コラム(m3.com)独自集計の参考値(2024年11月時点)。
年代を追うごとに上がっていき、ピークは50歳から54歳で、このあたりでは平均744万7,300円に達します。その後、60代に入ると、定年後の再雇用などで働き方が変わり、ゆるやかに下がっていきます。全体としては、経験を重ねるほど年収が上がる、わかりやすい右肩上がりの形を描きます。
この表は、あくまで全国の平均です。自分の年収をこの数字と比べて一喜一憂しすぎる必要はありません。とはいえ、相場を知っておくと「今の職場は適正な範囲か」を冷静に判断できます。
なお、最新の令和7年(2025年)調査では、薬剤師全体の平均年収が566万7,900円、もっとも高い年代が45〜49歳(675万8,400円)に変わっています。調査年によって数字は変動するため、1年分の数字だけでなく、複数年の傾向として捉えるのがおすすめです。
年代ごとに年収が変わる理由
年代によって年収が変わる最大の理由は、経験年数に応じて役職に就く人が増え、責任の重さが給与に反映されるためです。それぞれの時期に何が起きているのかを見ていきましょう。
20代:スタート地点
20代は、薬剤師としての経験を積み始める時期です。資格を持つ専門職のため、ほかの職種より高い水準からスタートしますが、まだ昇給はこれから。経験やスキルを積むほど、これから伸びていく土台づくりの年代です。
30代:最も伸びやすい時期
30代は、年収の伸び幅がもっとも大きくなる時期です。経験を重ね、管理薬剤師になったり、専門性を高めたりする人が増えるためです。キャリアの方向性が、年収にはっきり表れ始める年代でもあります。
40代:高水準だが伸びは鈍化
40代は、薬局長やエリアの管理職など、責任あるポジションに就く人が増え、年収は高い水準になります。ただし、30代からの伸び幅は小さくなり、昇進する人としない人とで差がつき始める年代でもあります。
50代:ピークの年代
50代は、平均年収が生涯でもっとも高くなる年代です。役職やマネジメントを担う人が多くなるためで、とくに50歳から54歳が最高値になります。長年の経験と、組織での立場が、年収にしっかり反映される年代です。
60代以降:勤務形態の変化で下降
60代以降は、定年を迎え、再雇用や短時間勤務に移る人が増えるため、平均年収はゆるやかに下がります。とはいえ、薬剤師は資格を活かして長く働ける仕事です。働き方を選びながら、無理なく現役を続けられるのも、この職業の強みといえます。
年収の伸びがいちばん大きいのは、20代から30代にかけてです。この時期にどんな経験を積み、どんなキャリアを選ぶかが、その後の年収を大きく左右します。若いうちから「自分はどの方向に進みたいか」を考えておくと、後悔の少ない選択ができますよ。
同じ年代でも差がつく要因
結論として、同じ年代でも年収が数百万円単位で変わる主な要因は、職場の種類・役職の有無・勤務する地域・働き方の4つです。早見表はあくまで平均であり、この4つの掛け合わせで、実際の年収は大きく変わります。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 職場の種類 | 製薬企業や一部のドラッグストアは高め。病院はやや控えめな傾向 |
| 役職の有無 | 管理薬剤師や管理職に就くと、手当のぶん年収が上がる |
| 勤務する地域 | 薬剤師が不足している地域ほど、年収が高くなることがある |
| 働き方 | 常勤か時短かなど、勤務時間によっても年収は変わる |
このうち、年代を問わず影響が大きいのが職場と役職の差です。同じ40代でも、一般の調剤薬局に勤める人と、製薬企業や管理職の人とでは、年収が数百万円違うこともあります。なお、男女別に見ると平均には差がありますが、これは能力ではなく、出産や育児に伴う働き方の変化が主な理由とされています。フルタイムに戻れば年収は回復していくため、一時的な差ととらえてよいでしょう。
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相場より低いと感じたときの考え方
結論として、早見表と比べて自分の年収が低いと感じても、あわてて転職する必要はありません。まずは落ち着いて、次の手順で確かめてみましょう。
年収を見直すステップ
- 自分の年代の相場と、今の年収を照らし合わせる
- 差の理由が、職場・役職・地域・働き方のどれにあるかを考える
- エージェントに相談し、今のスキルで狙える年収を確認する
転職エージェントに登録すれば、実際に動かなくても「今の自分の市場価値」を知ることができます。相場より大きく低いとわかれば、転職で年収を上げられる可能性があります。逆に相場どおりなら、今の職場で経験を積み続ける判断にも自信が持てます。数字を知ることは、納得のいくキャリアを選ぶ第一歩です。
よくある質問
まとめ
薬剤師の年代別の平均年収を比較しました。最後にポイントをおさらいしましょう。
- 薬剤師の平均年収はおおむね右肩上がりで、50代前半でピークの744.7万円に達する(令和6年調査)
- 伸び幅がいちばん大きいのは20代から30代。キャリアの選び方が年収を左右する
- 同じ年代でも、職場・役職・地域・働き方で年収は大きく変わる
- 最新の令和7年調査では平均年収・ピーク年代とも変動しており、複数年で見るのが実態に近い
- 相場より低いと感じたら、市場価値を確かめたうえで判断する
年代別の相場を知ることは、自分の立ち位置を冷静に見つめ、これからのキャリアを考える土台になります。数字に振り回されるのではなく、納得のいく選択をするための材料として活かしてください。あなたの転職がよい形で実りますように。
※本記事の情報は2026年8月時点のものです。年収の数値は厚生労働省「令和6年・令和7年賃金構造基本統計調査」等にもとづく目安であり、実際の金額は職場・地域・経験により異なります。最新の情報は公的統計でご確認ください。

