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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
「静岡で薬剤師として働きたい」「中部エリアで地元転職したい」と考える人は少なくありません。静岡県は薬学部が1校しかなく、薬剤師がやや不足気味とされるエリアです。静岡市と浜松市、それ以外の郊外で条件が変わるのも特徴です。地域の事情を知って選ぶことが、後悔しない転職につながります。
この記事では、静岡の薬剤師転職市場の特徴、年収の傾向、働くメリットと注意点、エリア別の傾向、転職を成功させるポイントを、現役薬剤師の目線で整理します。静岡での転職を考えるときの判断材料にしてください。
この記事でわかること
- 静岡は薬学部が1校しかなく、人口あたりの薬剤師数が全国平均を下回る不足傾向の県という構図
- 年収は調査によって大きな幅があり、鵜呑みにできない理由
- 静岡市・浜松市・郊外で異なる求人の傾向
- 静岡で転職を成功させるための職場選びの考え方
静岡県の薬剤師転職市場の特徴
静岡の薬剤師転職を考えるうえで、まず押さえておきたいのが「薬学部が1校しかなく、薬剤師がやや不足気味」という点です。厚生労働省「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、静岡県の人口10万人あたり薬剤師数は190.5人で全国27位。全国平均の202.6人を下回っています。一方、人口10万人あたり薬局数は53.4施設・全国17位で、全国平均の49.9施設を上回っています。
薬学部は静岡県立大学の1校のみ
静岡県内には、静岡県立大学の薬学部が1校あります。人口約360万人という規模の県にしては薬学部が少なく、地元で薬剤師を育てる環境が限られています。この結果、薬局や病院といった働く場所は充実している一方で、そこで働く薬剤師の数が足りていない状況が生まれやすくなっています。
静岡市・浜松市の2大都市と、それ以外の郊外
静岡県は東西に長く、静岡市と浜松市という2つの政令指定都市があります。この2市に求人が多い一方、富士市・磐田市・掛川市などの郊外では薬剤師がより手薄になりやすく、条件のよい求人が出ることもあります。
| 人口10万人あたり薬剤師数 | 190.5人・全国27位(全国平均202.6人) |
| 人口10万人あたり薬局数 | 53.4施設・全国17位(全国平均49.9施設) |
| 需給の傾向 | 薬局は多いが薬剤師が不足ぎみ。2大都市に集中 |
| 県内の薬学部 | 静岡県立大学の1校のみ |
| 年収の傾向 | 調査によって結果が大きく異なる |
※人口10万対薬剤師数・薬局数は厚生労働省「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計」「令和4年度衛生行政報告例」による。年収など他の数値は各社の公開データをもとにした傾向で、調査・時点・集計方法によりばらつきがあります。最新の状況は求人ごとにご確認ください。
静岡は薬学部が1校しかなく、これほど大きな県にしては薬剤師の供給源が限られています。地元にUターンしたい薬剤師にとっては、需要のある環境だといえますよ。
静岡の薬剤師年収の傾向
静岡の薬剤師年収は、調査によって示される水準にかなり大きな差があります。ある調査では全国平均を上回る水準(全国10位前後・550万円台)とされる一方、別の調査では全国平均を大きく下回る水準(全国42位前後・458万円台)とされることもあり、ひとつの数字を鵜呑みにするのは禁物です。
年収の傾向を左右する背景
- 薬学部が少なく薬剤師を確保しにくい/人材確保のために待遇が手厚くなりやすい職場がある
- 2大都市以外は薬剤師が手薄/静岡市・浜松市を離れた郊外では、住宅手当つきや高めの年収の求人が見られることがある
- 人手が足りない職場は条件が良くなりやすい/職場によっては年収600万円以上の高条件求人も見られる
年収の数字は調査によって大きな幅があります。ひとつのランキングを鵜呑みにせず、住宅手当などの手当を含めた実質の手取りで比べるのが確実です。
静岡は年収の調査結果にかなり幅があるので、ランキングの順位そのものより「なぜ幅があるのか」の背景を理解しておく方が実用的です。求人ごとの実際の条件を見比べるのが結局は一番確実ですよ。
静岡で薬剤師として働くメリット
薬剤師がやや不足気味という静岡の特徴は、働く側にとってはメリットになりやすい部分です。
静岡で働くメリット
- 条件のよい求人が出やすい/薬剤師がやや不足気味で、待遇を整えて人材確保をめざす職場がある
- 2つの政令市があり選択肢が豊富/静岡市・浜松市それぞれに都市機能があり、調剤薬局・病院・ドラッグストアと幅広く選べる
- 郊外は住宅手当つき求人も/富士市・磐田市など郊外では、引越し費用補助や住宅手当つきの求人が見られることがある
- 東京・名古屋へのアクセスがよい/新幹線で両都市にアクセスしやすく、暮らしの利便性が高い
- 温暖な気候/比較的温暖で、自然にも恵まれた環境で暮らせる
静岡は東京・名古屋のどちらにもアクセスしやすいのが魅力です。地方の暮らしやすさと都市への利便性を両立したい人には、バランスのよいエリアだと思います。
静岡で働く前に知っておきたい注意点
メリットがある一方で、静岡ならではの注意点もあります。事前に知っておけば、入職後のギャップを防げます。
静岡で働くときの注意点
- 年収の情報は調査によって差が大きい/求人サイトのランキング表示だけを鵜呑みにせず、実際の求人票で確認する
- 県土が広く移動に時間がかかる/東西に長い県のため、エリアによって通勤時間や生活圏が大きく異なる
- 郊外は車通勤が前提/静岡市・浜松市の中心部以外は、マイカー通勤が基本になる職場が多い
- 病院薬剤師は他の職種より年収が低め/全国的な傾向と同様、静岡でも病院薬剤師は調剤薬局・ドラッグストアより年収が控えめになりやすい
静岡は東西に長いので、「静岡県」とひとくくりにせず、静岡市エリアか浜松市エリアか、あるいはその中間かで通勤事情がかなり変わります。希望エリアを絞ってから求人を探すのがおすすめです。
静岡県の地域別の傾向
静岡県内は、静岡市を中心とした県中部、浜松市を中心とした県西部、富士市・沼津市などの県東部に大きく分けられます。エリアごとの傾向を整理します。
静岡市(県中部・県庁所在地)
県庁所在地の静岡市は、政令指定都市として求人数の多いエリアです。調剤薬局・病院・ドラッグストアと選択肢が幅広く、年収水準は県内では平均的とされています。都市部の利便性を重視する人に向いています。
浜松市(県西部)
浜松市も政令指定都市で、静岡市と並ぶ求人の中心地です。製造業が盛んな地域でもあり、企業関連の求人も見られます。年収は静岡市よりやや高めの求人が見られることもあり、条件のよい求人に出会いやすいエリアです。
富士市・磐田市など県東部・郊外
富士市・沼津市・磐田市・掛川市などの郊外エリアは、2大都市と比べて薬剤師がより手薄になりやすい地域です。引越し費用補助や住宅手当つきの高条件求人が出ることもあり、年収を重視するなら視野に入れたいエリアです。
静岡市・浜松市にこだわらず、富士市や磐田市まで視野を広げると、住宅手当つきの好条件求人に出会える可能性が上がります。転居を伴う転職も選択肢に入れると、より条件のよい求人が見つかりやすくなります。
静岡で転職を成功させるポイント
① 希望エリアを先に絞り込む
静岡は東西に長いため、静岡市・浜松市・郊外のどこで働きたいかを先に決めておくと、求人を効率よく探せます。通勤範囲と条件のバランスを考え、優先順位を整理しておきましょう。
② 複数の求人を比較して相場感をつかむ
静岡は年収の調査結果に幅が大きいからこそ、実際の求人を複数比較することが特に重要です。同じ静岡市内・同じ職種でも条件に差が出ることは珍しくないため、比較検討を丁寧に行うことが、静岡の相場感をつかんで良い求人を見分ける近道になります。
なお、静岡以外の中部エリアも視野に入れて検討したい方は、中部エリアの薬剤師転職ガイドもあわせてご覧ください。
地方は求人数そのものが都市部より少ないぶん、1つの情報源だけだと選択肢が偏りがちです。複数の求人サイトを見比べて、同じ静岡の求人でも出てくる条件を比較すると、相場と良い求人の見分けがつくようになりますよ。
よくある質問
まとめ
静岡県の薬剤師転職のポイントを整理します。
- 静岡は人口10万人あたりの薬剤師数が190.5人(全国27位)で、全国平均202.6人を下回る不足傾向の県
- 県内に薬学部が静岡県立大学の1校のみで、薬剤師の供給源が限られている
- 年収の調査結果には大きな幅があり、順位そのものより求人ごとの実際の条件で確認する
- 静岡市・浜松市の2大都市に求人が集中する一方、郊外は住宅手当つきの好条件求人が出ることも
- 複数の求人情報を比較しながら、静岡の相場感をつかむことが成功のコツ
静岡での転職は、背景にある需給の構図を理解したうえで、自分の優先順位に合った職場を選ぶことが大切です。東京・名古屋へのアクセスのよさもあり、薬剤師にとって選択肢の多い県なので、地元志向の人もUターン希望の人も、ぜひ前向きに検討してみてください。
※本記事の情報は2026年8月時点のものです。人口10万対薬剤師数・薬局数は厚生労働省「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計」「令和4年度衛生行政報告例」を参照しています。年収・求人の状況は時期や調査により変動します。最新の情報は各求人でご確認ください。

