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くらげ|現役薬剤師。調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信。薬剤師目線でエージェントを徹底調査しています。
転職や再就職を考えるとき、国の公的な支援制度を知っているかどうかで、経済的な負担も選択肢の広さも大きく変わります。失業中の生活費を支える給付、スキルアップの学費を補助する給付、無料で受けられる職業訓練など、薬剤師も使える制度は意外とたくさんあります。けれど、「制度が多すぎて、自分が何を使えるのか分からない」という人も多いはずです。
この記事では、薬剤師が転職・再就職で活用できる公的支援制度を、全体像が見えるように整理します。制度は大きく、雇用保険に入っているかどうかで分かれます。それぞれ何が使えるのかを、現役薬剤師の視点でまとめました。
この記事でわかること
- 公的支援制度は雇用保険の加入状況で分かれること
- 失業給付・教育訓練給付・再就職手当などの全体像
- 雇用保険がない人の制度や、相談・紹介の窓口
公的支援制度は「雇用保険に入っているか」で分かれる
転職・再就職の公的支援制度を理解する一番のポイントは、雇用保険に加入しているか(していたか)です。多くの主要な制度は雇用保険を財源にしているため、加入期間がある人ほど使える制度が増えます。会社員として働いてきた薬剤師なら、基本的に雇用保険に加入しているはずです。
一方、雇用保険に入っていない、または加入期間が足りずに失業給付を受けられない人にも、別の支援制度が用意されています。まずは自分がどちらに当てはまるかを押さえると、使える制度が見えてきます。
「知らなかった、もっと早く使えばよかった」という声が本当に多い分野です。給付には申請期限があるものも多いので、転職を考え始めた段階で、自分が何を使えるかをざっと把握しておくと損をしません。
雇用保険に入っている人が使える制度
会社員として雇用保険に加入してきた薬剤師が使える、代表的な制度を見ていきます。
失業給付(基本手当)
退職して次の仕事を探す間の生活を支えるのが、いわゆる失業保険(基本手当)です。2025年4月の改正で、自己都合退職の給付制限が原則1か月に短縮されました。受給の条件や手続きの流れは、失業保険を扱った別の記事で詳しく解説しています。
再就職手当
失業給付を受けている人が早期に再就職すると、受給の残り日数に応じて再就職手当が支給されます。早く次の職場が決まるほど手厚くなる仕組みで、ためらわずに再就職へ動く後押しになります。
教育訓練給付制度
スキルアップや資格取得のための講座を受けると、受講費用の一部が戻ってくる制度です。レベルに応じて3種類あり、給付率が異なります。認定資格に関わる講座など、薬剤師のキャリア形成に使えるものも対象になっています。
| 種類 | 給付の目安 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講費用の20%(上限10万円)。事前手続きが不要で最も手軽 |
| 特定一般教育訓練 | 受講費用の40%(上限20万円)。就職・資格取得で追加され、最大50%まで |
| 専門実践教育訓練 | 受講中50%、資格取得・就職で70%、賃金が5%以上上がると最大80%(年間上限64万円) |
特定一般と専門実践は、受講前にハローワークでのキャリアコンサルティングと受給資格の確認が必要です。さらに、失業中に専門実践教育訓練を受ける45歳未満の人には、生活費を支える教育訓練支援給付金が別途用意されています。
教育訓練休暇給付金(2025年10月新設)
2025年10月に新しく始まった制度です。雇用保険に5年以上加入している人が、会社を辞めずに教育訓練のための休暇を取り、無給になった期間について手当を受け取れます。失業給付と同じ水準が、加入期間に応じて一定日数支給されます。年齢制限がなく、在職したまま学び直しに専念できるのが特徴です。
雇用保険に入っていない人が使える制度
雇用保険に加入していない、または加入期間が足りずに失業給付を受けられない人もいます。長くブランクがある、パートで雇用保険に入っていなかった、すでに失業給付を受け終えた、といったケースです。こうした人を支えるのが求職者支援制度です。
求職者支援制度では、無料の職業訓練を受けながら、一定の収入などの要件を満たせば、月10万円の給付金と通所手当を受け取れます。雇用保険の枠の外にいる人でも、訓練でスキルを身につけながら再就職を目指せる仕組みです。職業訓練そのものは、雇用保険の有無にかかわらず受けられるハロートレーニングとして広く用意されています。
相談・職業紹介の公的な窓口
お金の給付だけでなく、仕事探しそのものを支える公的な窓口もあります。
- ハローワーク:求人紹介・職業相談の基本窓口。給付の手続きもここで行う。薬剤師求人の探し方は別の記事で解説
- マザーズハローワーク:子育てをしながら再就職を目指す人向けの専門窓口。仕事と育児の両立に配慮した相談ができる
- 都道府県の薬剤師会:地域によっては、薬剤師向けの無料の職業紹介を行っているところがある
公的な窓口は無料で使えるのが強みです。民間の転職エージェントと公的窓口は、どちらかではなく併用してかまいません。給付や訓練は公的制度、求人の幅や条件交渉はエージェント、と役割で使い分けると、選択肢を最大限に広げられます。
よくある質問
まとめ
薬剤師の転職・再就職を支える公的制度は、思っている以上に充実しています。最後に要点を整理します。
- 使える制度は、雇用保険に入っているかどうかで大きく分かれる
- 雇用保険がある人は、失業給付・再就職手当・教育訓練給付などが使える
- 雇用保険がない人は、無料訓練と給付金が受けられる求職者支援制度がある
- ハローワークや薬剤師会など、無料で使える相談・紹介の窓口もある
給付には申請期限や細かな要件があり、内容も改正されていきます。気になる制度があれば、まずはハローワークで自分が対象かどうかを確認するのが確実です。公的制度と民間のサポートを上手に組み合わせて、納得のいく転職・再就職につなげてください。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。給付率・上限額・支給要件は改正される場合があり、個別の適用可否は状況によって異なります。最新の制度内容と自分が対象かどうかは、必ず最寄りのハローワークや各窓口にご確認ください。

