この記事を書いた人
くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
転職を考えるとき、制度や統計だけでなく「実際に転職した人はどう感じたのか」を知りたい人は多いはずです。このページは、薬剤師転職ノートにある体験談と、転職のパターン別のガイドを、自分の状況から探せるようにまとめた入口です。
先に全体像をお伝えすると、厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、転職した人のうち前職より賃金が「増加」した人は40.8%、「減少」した人は31.0%でした。転職は、うまくいくこともあれば、思ったほど条件が良くならないこともあります。だからこそ、自分に近い人の経験から、判断の材料を集めておくことが大切です。
職場の移り方や、ライフステージの変化など、今の自分に近いケースから読んでみてください。
- 薬剤師転職ノートの体験談記事と、それぞれから分かること
- 職場の移り方・状況別に読むべき体験談とガイド
- 公的統計で見る「転職で賃金はどう変わるか」「前の職場を辞めた理由」
- 体験談に共通する成功のポイントと、体験談を読むときの注意点
体験談記事の一覧
現在公開している体験談は次の4本です。いずれも、よくある状況をもとにしたモデルケースに、公的な統計と確認すべきポイントを組み合わせて構成しています。
職場の種類を変えた2本の体験談は、転職前の状況、決め手、転職して良かったこと、思っていたのと違ったこと、向いている人、応募前に確認すべき項目の順で構成しています。女性・子育ての2本は、産休・育休や2025年の法改正など、制度の解説を厚めにしています。とくに「思っていたのと違ったこと」と「確認すべき項目」は、同じ転職を考えている人にとって、入職後の後悔を防ぐいちばんの手がかりになります。
体験談をまとめて読み比べ、成功と失敗の傾向を分析した読み物は薬剤師の転職体験談まとめ|成功・失敗ケースと教訓にあります。このページは体験談を探すための一覧、そちらは教訓を深く読むための記事という役割分担です。
体験談を読むときは、結論より「その人が何を優先して、何をあきらめたか」に注目してみてください。同じ転職でも、優先順位が違えば正解は変わります。自分と同じ優先順位の人の話ほど、判断の役に立ちます。
職場の移り方・状況から探す
体験談とあわせて、同じ状況の人に向けたガイドも読むと、判断に必要な情報がそろいます。
職場の種類を変える転職
ライフステージや状況に合わせた転職
「準備中」の状況については、今後体験談を追加していく予定です。それまでは、各ガイドで同じ状況の人がつまずきやすい点と、事前に確認すべきことを確かめておきましょう。
私自身、病院から調剤薬局へ移ったときは、仕事の中身よりも生活リズムの変化のほうが大きく感じました。職場の種類を変える転職では、業務だけでなく「1日の時間の使い方がどう変わるか」まで想像しておくと、入職後の戸惑いが減ります。
データで見る転職のリアル
個人の体験談だけでは、それがよくある話なのか、珍しい話なのかが分かりません。そこで、厚生労働省の令和7年雇用動向調査から、転職した人全体の傾向を確認しておきます。薬剤師に限らない全産業の数字ですが、転職の実態をつかむ基準になります。
転職で賃金はどう変わったか
年齢別に見ると、増加した人の割合は年代によって大きく違います。
40代後半までは増加した人のほうが多く、50代からは減少した人のほうが多くなります。年齢が上がるほど、年収だけを目的にした転職は難しくなる傾向があるということです。年代別の戦略は年代別転職ガイド、転職後の年収の変化は転職したら年収はどう変わるかで詳しく解説しています。
正社員どうしの転職に絞ると
同じ調査で、期間の定めのない一般労働者(いわゆる正社員)から正社員への転職に絞ると、賃金が増加した人は44.5%、減少した人は29.0%で、増加が減少を15.5ポイント上回っています。パートタイム労働者どうしの転職でも、増加が減少を17.2ポイント上回りました。全体で見ると、転職で賃金が上がった人のほうが多い状況が続いています。
ただし、この「増加」には1割未満の小さな上昇も含まれます。1割以上増えた人は全体の28.2%で、およそ3.5人に1人です。大幅な年収アップを狙うなら、管理薬剤師などの役職や、薬剤師が不足している地域への転職といった、はっきりした理由のある選択が必要になります。
前の職場を辞めた理由
いずれも「その他の個人的理由」「その他の理由」を除いた順位です。薬剤師は女性が多い職種なので、働く時間や人間関係を理由に職場を移るケースは、特別なことではありません。
「年収を上げたくて転職したのに、思ったほど上がらなかった」という話は、統計を見ると決して珍しくないことが分かります。反対に、年収は横ばいでも、休みや人間関係が改善して満足している人もいます。自分にとっての「成功」を、年収だけで決めないことが大切です。
体験談に共通する3つのポイント
当サイトの体験談を読み比べると、納得のいく転職をした人には共通点があります。
反対に、うまくいかなかったケースでは、「焦って決めた」「見学をせずに決めた」といった準備不足が目立ちます。転職の失敗パターンは転職で失敗する理由、見学で確認すべき点は職場見学チェックリストにまとめています。
3つのポイントの中でも、いちばん差がつくのは2つ目だと感じています。「制度はありますか」と聞けば、ほとんどの職場は「あります」と答えます。「昨年は何人が使いましたか」と聞くだけで、制度が本当に使われているかが見えてきます。
体験談を読むときの注意点
体験談は自分の判断を助ける材料の一つとして使い、最後は実際の求人の条件と、見学や面接で確かめた事実で決めましょう。転職の進め方の全体像は転職の流れで確認できます。
体験談の中の「思っていたのと違った」という部分は、とくに丁寧に読んでみてください。そこに書かれていることは、入職前に確認できたはずのことが多いからです。自分の転職でも同じ点を事前に聞いておけば、同じ後悔を避けられます。
職場の種類を変えると何が変わるか
体験談の中で「思っていたのと違った」と語られやすいのは、職場の種類ごとの働き方の違いです。代表的な違いを整理しました。職場ごとの差が大きいため、あくまで一般的な傾向として見てください。
同じ職場の種類でも、規模や地域で働き方は大きく違います。移る先の職場の種類の一般論だけでなく、応募する職場の具体的な勤務表や業務内容を確かめることが、体験談の「思っていたのと違った」を防ぐ近道です。
職場の種類を変える転職では、前の職場で当たり前だったことが、次の職場では当たり前でなくなります。病院では当たり前だった検査値の確認が薬局ではできない、というのが代表例です。何を手放すことになるのかを先に書き出しておくと、覚悟を持って選べます。
体験談を読む前に整理しておきたい5つの質問
体験談を自分の判断に活かすには、先に自分の状況を言葉にしておくことが大切です。次の5つに答えてから体験談を読むと、参考になる部分とそうでない部分を見分けやすくなります。
答えが出たら、同じ理由や条件を持つ人の体験談から読むのがおすすめです。考えを整理する手順は転職の流れでも紹介しています。
周りの薬剤師の話を聞いていると、「なんとなく今の職場が合わない」という段階で求人を見始める人が少なくありません。この5つの質問に答えてみると、転職しなくても解決できる悩みだったと気づくこともあります。それも立派な判断の一つです。
よくある質問
まとめ
薬剤師の転職体験談の探し方と読み方について、要点を整理します。
- 体験談は4本。病院から薬局、調剤からドラッグストア、女性、子育ての4つの状況を扱っている
- 転職した人の賃金は増加40.8%・減少31.0%(令和7年雇用動向調査)。50代からは減少が上回る
- 納得のいく転職をした人は、目的を絞り、制度の実績を聞き、年収を中身まで分けて比べている
- 体験談はモデルケース。最後は求人の条件と、見学・面接で確かめた事実で判断する
自分に近い体験談とガイドから、判断の材料を集めていきましょう。一人で情報を集めるのが大変なときは、転職の目的を整理するところから相談できるエージェントを活用するのも一つの方法です。

