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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
「女性薬剤師の平均年収はいくら?」「出産や育児で年収はどれくらい変わる?」「パートに切り替えたら年収はどうなる?」。女性が多い薬剤師という職業では、ライフイベントと年収の関係が大きな関心事です。
結論から言うと、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から算出した女性薬剤師の平均年収は約539.4万円です。20代後半では男性との差はわずかで、年収のピークは45〜49歳の約644.3万円でした。一方、パートなど短時間勤務の薬剤師の年収は、平均で約264万円になります。
この記事では、フルタイムと短時間勤務それぞれの年収、年代別の推移、出産・育児期に使える給付の制度、年収を上げる戦略まで、公的な統計と制度をもとに整理しました。
- 令和7年の統計で見る女性薬剤師の平均年収(月給・賞与・勤続年数まで)
- 年代別の年収の推移と、30代で伸びが緩やかになる理由
- パート・時短で働く場合の年収と、出産・育児期に使える給付
- 女性薬剤師が年収を上げるための4つの戦略
女性薬剤師の平均年収
令和7年賃金構造基本統計調査の薬剤師(女性・一般労働者)の値から、「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で算出しました。
この調査の薬剤師(フルタイムの一般労働者)のうち、女性は約59%を占めています。薬剤師の現場を支える中心は女性だということが、統計からも分かります。
他の職種と比べると、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査では、給与所得者の女性の平均給与は約333万円でした。パートを含む数字なので単純比較はできませんが、女性薬剤師の年収は高い水準にあります。男性との差が生まれる理由は薬剤師の男女の年収差で詳しく解説しています。
薬剤師は、資格があれば性別に関係なく同じ給与表で働ける職業です。同じ職場・同じ役職で比べれば、男女で給料が変わることは基本的にありません。平均の差は、勤続年数や役職の違いから生まれています。
年代別の女性薬剤師の年収
女性の年収は、25〜29歳の約486.7万円から40代にかけて上がり、45〜49歳の約644.3万円でピークを迎えます。20代後半では男性(約507.3万円)との差は約20万円にとどまります。
30代は、30〜34歳が約512.0万円、35〜39歳が約538.8万円と、伸びが緩やかになります。この統計には時短勤務やパートの人は含まれていないため、フルタイムで働いていても、30代は昇給や役職の面で伸び悩みやすい時期だといえます。出産・育児の時期と、管理薬剤師の打診が来やすい時期が重なることが背景にあると考えられます。年代別の詳しい傾向は年代別の平均年収をご覧ください。
40代後半に年収のピークが来るのは、子育てが一段落して、管理薬剤師など責任ある役割に就く女性が増えるためだと考えられます。30代の伸び悩みは一時的なものと捉え、40代からの巻き返しを見据えてキャリアを考えるのがおすすめです。
パート・時短で働く場合の年収
同じ調査の短時間労働者(パートなど)の薬剤師の値は次のとおりです。
週3〜4日・1日6時間弱の働き方が平均像で、年収はフルタイムの半分以下になります。時給で見るとフルタイムとの差は1割ほどですが、賞与の差が大きく、年収の差を広げています。
時短勤務やパートは、子育てとの両立には大きな助けになる一方、働く時間を減らすと、賞与や昇給の面でも差がつきやすいことを知ったうえで選ぶことが大切です。パートの働き方は薬剤師のパート転職ガイド、時給の相場はパート薬剤師の平均時給で解説しています。
時短勤務を選ぶときは、「いつまで時短にするか」「その後どう戻るか」を最初に決めておくと、年収の落ち込みを最小限にできます。職場によっては、時短の期間中も賞与の算定や昇給の扱いが変わらないこともあるので、制度の中身を確認しておきましょう。
出産・育児期に使える給付と制度
出産や育児で働けない期間や、時短で収入が減る期間には、公的な給付があります。2025年4月には、両親の育休への上乗せと、時短勤務への給付という2つの新しい給付も始まりました。
給付の要件や金額には上限などの細かな条件があるため、実際に利用するときは勤務先や、ハローワーク・加入している健康保険に確認してください。職場選びで確かめたい点はママ薬剤師が転職した体験談と子育てと両立しやすい転職先にまとめています。
育児時短就業給付金は、時短勤務で減った収入の一部を補ってくれる新しい制度です。「時短にすると収入が減るから」とフルタイムを無理に続けていた人にとっては、働き方を選び直すきっかけになるかもしれません。
女性薬剤師が年収を上げる4つの戦略
役職と勤続年数は、女性薬剤師の年収を動かす2つの大きな要因です。あわせて、地域によって年収の水準が違うことも覚えておきましょう。都道府県別の年収は都道府県別の転職ガイドで確認できます。
年収アップの戦略は、「育児中」と「育児が落ち着いた後」で分けて考えると現実的です。育児中は勤続を途切れさせないことと情報収集、落ち着いた後は管理薬剤師や在宅への挑戦。この2段階で考えると、無理なく年収を伸ばせます。
よくある質問
まとめ
女性薬剤師の年収について、要点を整理します。
- フルタイムの女性薬剤師の平均年収は約539.4万円、ピークは45〜49歳の約644.3万円(令和7年)
- 30代はフルタイムでも伸びが緩やか。出産・育児と役職の打診の時期が重なるため
- パートなど短時間勤務の平均年収は約264万円。賞与の差が年収の差を広げている
- 育休・時短の給付を活用しつつ、勤続と役職への挑戦で年収を伸ばせる
女性薬剤師の年収は、ライフイベントの時期に伸び悩んでも、その後の選択で取り戻せます。制度を上手に使いながら、長く働き続けられる職場を選んでいきましょう。

