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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
神戸市・姫路市・西宮市などの都市部を抱え、大阪への通勤圏も広い兵庫県。薬剤師の求人は多いものの、「兵庫は年収が上がりにくい」と感じている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から算出した兵庫県の薬剤師の平均年収は約501.5万円で、47都道府県中46位でした。ただし、兵庫県の薬剤師は労働時間が全国より月13時間ほど短く、時間あたりの給与で比べると全国との差は約2%にとどまります。年収の低さの多くは、働く時間の短さから生まれているのです。
この記事では、兵庫県の薬剤師の年収を月給・賞与・労働時間・男女別まで分解し、関西の他府県との比較、国の薬剤師偏在指標から見る需給、兵庫で年収を上げる考え方を、公的な統計をもとに整理しました。
- 令和7年の統計で見る兵庫県の薬剤師の平均年収と、その内訳
- 労働時間と時間あたりの給与から見る「年収が低く出る理由」
- 関西6府県の年収比較と、国の薬剤師偏在指標
- 兵庫で年収を上げるための考え方と、統計を読むときの注意点
兵庫県の薬剤師の平均年収
令和7年賃金構造基本統計調査(都道府県別第3表)の薬剤師の値から、「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で年収を算出しました(10人以上の事業所)。
月給は全国より約4.5万円低く、47都道府県で2番目に低い水準です。一方で、月の労働時間は所定内と残業を合わせて154時間と、全国の167時間より13時間短く、とくに残業は月4時間と全国の半分以下で、47都道府県の中でも少ない水準です。兵庫県の転職事情全体は兵庫の薬剤師転職ガイドで解説しています。
時間あたりの給与はほぼ全国並み
所定内給与を所定内労働時間で割った時間あたりの給与は、兵庫県が約2,300円、全国が約2,350円で、差は約2%です。月給の差(約11%)に比べてずっと小さく、兵庫の年収の低さの多くは、時給の低さではなく、働く時間の短さから生まれていることが分かります。
残業が少なく、家庭やプライベートとの両立を重視する働き方が選ばれている結果とも読み取れます。年収だけでなく、時間あたりの待遇や働きやすさまで含めて見ると、兵庫の評価は変わってきます。
残業が月4時間というのは、全国と比べてかなり少ない水準です。「年収が低い県」と一言で片づけず、時間あたりで見れば全国並みの待遇で、そのぶん自分の時間を確保しやすい県だと捉えることもできます。何を優先したいかで、兵庫の見え方は変わります。
男女別と年齢構成の特徴
兵庫県の薬剤師は平均年齢が47歳と全国で7番目に高い一方、勤続年数は6.8年と全国で6番目に短くなっています。フルタイムの薬剤師の約75%を占める女性は平均48.2歳・勤続7.1年で、年齢が高いのに勤続が短い、つまり途中から今の職場に入った人が多いことがうかがえます。子育てなどを経て復職した薬剤師や、転職経験のある薬剤師が多い県だと考えられます。
年齢が高く勤続が短いという特徴は、ブランクからの復職や中途入職を受け入れる職場が多いことの表れとも言えます。復職を考えている薬剤師にとっては、兵庫は戻りやすい地域かもしれません。復職の進め方は、ブランクからの転職ガイドも参考にしてください。
関西6府県の年収比較
関西では和歌山県・滋賀県が600万円を超え、大阪府・兵庫県が下位に並びます。兵庫県の南東部から大阪府へは通勤しやすいものの、大阪府も約532.7万円と全国平均を下回るため、年収だけを理由に大阪へ通う必要は小さいといえます。一方、京都府や奈良県は兵庫県より年収水準が高く、県境をまたいだ比較も検討する価値があります。47都道府県の比較は都道府県別の転職ガイドにまとめています。
兵庫から大阪へ通う薬剤師は多いですが、統計上は年収の差は大きくありません。通勤時間を考えると、県内で働くほうが時間あたりの収入は良くなることもあります。暮らし全体のバランスで判断するのがおすすめです。
薬剤師偏在指標から見る兵庫の需給
厚生労働省の「薬剤師偏在指標」は、薬剤師が必要とされる業務量に対して、実際に働く薬剤師の労働時間がどれだけあるかを示す指標で、1.0を上回るほど薬剤師が多い地域になります。兵庫県の薬局薬剤師の指標は1.19で、大阪府の1.12や全都道府県ベースの1.08を上回る「薬剤師多数都道府県」です。
薬剤師に余裕がある地域では、給与を上乗せして人を集める必要性が低く、年収が上がりにくくなります。首都圏でも、偏在指標の高い東京都・神奈川県ほど年収が低い傾向があり、兵庫県も同じ構造にあると考えられます。
薬剤師が多い地域は、職場の選択肢が多い地域でもあります。勤務時間や休みの取りやすさなど、年収以外の条件で職場を選びやすいのは、兵庫で働く利点の一つです。
兵庫で年収を上げる考え方
兵庫は、神戸・阪神間の都市部から、播磨・但馬・淡路などの地域まで広く、エリアによって薬剤師の集まり方が違います。県の平均だけで判断せず、通える範囲の求人を広く比べてみることが大切です。なお、県の平均は年によって動くうえ、調剤薬局・病院・ドラッグストアなど職場の種類を区別しない値です。傾向をつかむ目安として使い、実際の求人の条件を、同じ年代・同じ職場の数字と比べて判断しましょう。
年収を上げたいなら、まず「時間あたりの待遇」と「勤務時間」を分けて考えるのがおすすめです。時給が良くても勤務時間が短ければ年収は伸びません。自分が働ける時間と、求める年収のバランスを決めてから求人を比べると、迷いが減ります。
よくある質問
まとめ
兵庫県の薬剤師の年収について、要点を整理します。
- 兵庫県の平均年収は約501.5万円で全国46位(令和7年)
- 労働時間が全国より月13時間短く、時間あたりの給与は全国との差が約2%にとどまる
- 年齢が高く勤続が短い、中途入職の多い県。薬局薬剤師の偏在指標は1.19
- 管理薬剤師・勤務時間の見直し・近隣府県との比較が年収アップの鍵
兵庫は年収の平均こそ低めですが、時間あたりの待遇は全国並みで、働き方を選びやすい県です。自分が優先したいものを決めたうえで、年収と働きやすさのバランスが取れる職場を探していきましょう。

