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くらげ|現役薬剤師。調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信。薬剤師目線で、退職・転職のリアルなマナーを徹底調査しています。
退職が決まって引き継ぎのめどが立つと、お世話になった方々へ退職の挨拶をする段になります。直接ご挨拶できればよいのですが、人数が多かったり、有給消化で顔を合わせられなかったりすると、メールでの挨拶が必要になる場面が出てきます。とはいえ、いざ書こうとすると「いつ・誰に・どう書けばいいのか」で手が止まりがちです。
この記事では、薬剤師が退職の挨拶メールを送るときのタイミングとマナー、そして社内向け・社外向け・口頭での場面別の文例を、現役薬剤師の目線でまとめました。そのまま使える文例を用意しているので、感謝の気持ちがきちんと伝わる挨拶にして、気持ちよく次の職場へ進みましょう。
- 退職挨拶メールを送るタイミング(社内・社外で違う)
- 押さえておきたい基本マナー
- 社内向け・社外向けの挨拶メール文例
- 最終出勤日の口頭での挨拶文例
- 薬剤師が退職挨拶で気をつけたいこと
退職挨拶メールのタイミングとマナー
まず前提として、退職の挨拶メールは「辞めます」という意思を初めて伝えるものではありません。退職の意思は、あらかじめ上司に直接伝えて了承を得ておくのが原則です。挨拶メールは、退職が正式に決まったあとに、感謝とお別れを伝えるものだと考えてください。送る前に、公表してよいタイミングを上司に確認しておくと安心です。
送るタイミング
送る相手が社内か社外かで、タイミングが変わります。目安を整理しました。
- 社内向け:最終出勤日に送るのが一般的。有給消化がある場合は、正式な退職日ではなく最終出社日に送る
- 社外向け:引き継ぎの期間を確保するため、最終出社日の2〜3週間前に送る
押さえておきたいマナー
- 件名は一目でわかるように「退職のご挨拶(氏名)」とする
- 退職理由は「一身上の都合」に留め、詳しく書かない
- 退職日・最終出社日をはっきり明記する
- 不満や愚痴などネガティブなことは書かない
- 読み手が疲れない、簡潔な長さにまとめる
大事なのは、退職を切り出すのと、退職挨拶を送るのは別物だということ。辞める意思はまず対面で上司に伝える。挨拶メールはそのあとの「ありがとうございました」です。ここを混同すると角が立つので、順番だけは押さえておきましょう。
社内向けの退職挨拶メール文例
社内の同僚や他店舗のスタッフへ送る挨拶メールです。全体へ一斉に送る形が一般的ですが、特にお世話になった上司へは個別に送ると丁寧です。そのまま使える文例を用意しました。
▼ 件名:退職のご挨拶(薬剤師 くらげ)
スタッフの皆様
お疲れさまです。○○店の△△です。
私事で恐縮ですが、一身上の都合により○月○日をもって退職することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでのご挨拶となり申し訳ございません。
入社から○年、皆様には大変お世話になりました。日々の調剤や患者さんへの対応を通じて、多くのことを学ばせていただきました。心より感謝申し上げます。
ここで培った経験を、次の職場でも活かしてまいります。
最後になりましたが、皆様のご健康とご活躍を心よりお祈りしております。
本当にありがとうございました。
▼ お世話になった上司への個別メール
○○管理薬剤師
お疲れさまです。△△です。
このたび、一身上の都合により○月○日付で退職することになりました。本日が最終出社日です。
○○さんには、入社当初から調剤や監査の基本を丁寧に教えていただき、管理業務についても多くを学ばせていただきました。忙しい時間帯にも声をかけてくださったこと、今でも心に残っています。
ここで身につけたことを大切に、次の職場でも精進してまいります。
これまで本当にありがとうございました。○○さんのますますのご活躍をお祈りしております。
社内向けであれば、退職後も連絡を取りたい相手に、個人の連絡先を添えても差し支えありません。ただし必須ではないので、無理に書く必要はありません。
文例はあくまで型です。ひとつでいいので、その人との具体的なエピソードを添えると、ぐっと気持ちが伝わります。「あの繁忙期を一緒に乗り切りましたね」の一言が、定型文を温かい挨拶に変えてくれますよ。
社外・取引先向けの退職挨拶メール文例
薬剤師の場合、医薬品卸の担当者や、門前の医療機関の事務担当など、社外でお世話になる方もいます。こうした相手へは、後任者を明記して、引き継ぎに不安を残さないことが大切です。社外向けの文例を紹介します。
▼ 件名:退職のご挨拶(○○薬局 △△)
□□株式会社
○○様
いつも大変お世話になっております。○○薬局の△△でございます。
私事で恐縮ですが、一身上の都合により○月○日をもって退職することとなりました。最終出社日は○月○日です。
本来であれば直接ご挨拶にうかがうべきところ、メールでのご挨拶となりましたことをお詫び申し上げます。
在職中は、迅速なご対応にいつも助けていただき、心より感謝しております。ありがとうございました。
後任は、同じ薬局の▲▲が務めさせていただきます。改めて▲▲よりご連絡いたしますので、変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、貴社のますますのご発展と○○様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
社外向けのメールには、私用の連絡先は書かないのが基本です。会社を通じた関係だったことを踏まえ、一線を引いておきましょう。また、多くの相手にまとめて送る場合は、ほかの人のメールアドレスが互いに見えない形で送るのがマナーです。特にお世話になった相手には、個別に送るとより丁寧です。
薬剤師の世界は、地域で見ると意外と狭いもの。卸の担当さんや近隣の医療機関の方とは、転職先で再びご縁がつながることもあります。後任をきちんと引き合わせて、気持ちよくバトンを渡しておくと、あとあと自分にも返ってきますよ。
最終出勤日の口頭での挨拶文例
少人数の薬局では、メールよりも直接ひとことご挨拶する場面のほうが多いかもしれません。朝礼や終業時に、短く感謝を伝える文例です。長々と話す必要はなく、30秒ほどで十分です。
▼ 朝礼・終業時のひとこと
「本日で退職することになりました、△△です。入社してから○年間、皆さんには本当にお世話になりました。忙しいなかでも助け合える、温かい職場で働けて幸せでした。ここで学んだことを次でも活かしていきます。短い間でしたが、ありがとうございました。皆さんのご健康とご活躍をお祈りしています。」
口頭の挨拶は、うまく話そうとしなくて大丈夫。緊張して言葉に詰まっても、感謝の気持ちさえ伝われば十分です。むしろ、少し照れながらの「ありがとうございました」のほうが、心に残るものですよ。
薬剤師が退職挨拶で気をつけたいこと
薬剤師ならではの注意点も押さえておきましょう。特に患者さんとの関わり方には、気をつけたいポイントがあります。
- 患者さんへ個別に退職の連絡をしたり、私用の連絡先を渡したりしない(守秘義務・個人情報の観点から避ける)
- 少人数の職場では、メールよりまず対面のひとことを大切にする
- 職場への不満や、次の勤務先の詳しい話は書かない
- 送る前に、公表してよいタイミングを上司に確認する
長く通ってくれた患者さんにお別れを言いたい気持ちはよくわかりますが、薬剤師には守秘義務があります。患者さんへの個別の連絡や連絡先の受け渡しは、トラブルのもとになりかねないので控えましょう。挨拶は、あくまで職場の同僚や取引先に向けたものと考えるのが安全です。
「いつもの患者さんに挨拶したい」というのは薬剤師らしい優しさですが、そこはぐっとこらえるところ。窓口でいつも通り笑顔で対応して、静かに引き継ぐのが、いちばんの誠意だと私は思っています。
よくある質問
まとめ
退職の挨拶メールは、これまでの感謝を伝え、円満に締めくくるための大切なひと手間です。要点を振り返ります。
- 退職の意思は先に対面で伝え、挨拶メールは確定後に送ります
- 社内は最終出勤日、社外は最終出社日の2〜3週間前が目安です
- 退職理由は「一身上の都合」、ネガティブなことは書きません
- 社外へは後任者を明記し、私用連絡先は控えます
- 患者さんへの個別連絡は守秘義務の観点から避けます
文例はそのまま使いつつ、その人との思い出をひとこと添えると、あなたらしい温かい挨拶になります。最後まで丁寧に締めくくって、気持ちよく新しい職場へ進んでいってください。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。退職挨拶のタイミングや慣習は、勤務先によって異なる場合があります。送る前に、公表してよい時期や送り方を勤務先の上司にご確認ください。

