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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
退職が決まり引き継ぎも終えると、いよいよ最終出勤日を迎えます。最後の一日は、返却するものや受け取る書類、挨拶回りなど、やることが意外と多いものです。うっかり返し忘れ・もらい忘れがあると、退職後に連絡を取り合う手間が生じてしまいます。
なお、退職時の返却物は2025年12月に大きく変わりました。従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が切れ、翌2日以降は使えなくなっています。「保険証を返す」という長年の常識は、もう当てはまりません。
この記事では、薬剤師が最終出勤日にすることを、当日の流れ・返却物・受け取る書類・退職後の期限・挨拶のマナーまで、現役薬剤師の目線でチェックリスト形式に整理します。最後を気持ちよく締めくくり、次の職場へ進むための備えとして役立ててください。
- 最終出勤日の当日の流れ
- 返却するもの(健康保険証の扱いが変わりました)
- 受け取る書類と、届くまでの期間の目安
- 最終出勤日に確認しておきたい、退職後の期限
- 挨拶回りのマナーと順序
- 最終出勤日に忘れがちなこと
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最終出勤日の当日の流れ
要点:返却物と受け取る書類のリストを前日までに作っておくと、当日の慌ただしさの中でも漏れません。
最終出勤日は、慌てないように流れを把握しておくとスムーズです。一般的には、次のような順序で進みます。
最終出勤日は、患者対応や引き継ぎでバタバタしがちです。返却物や受け取る書類は前日までにリスト化しておくと、当日の慌ただしさの中でも漏れを防げます。最後にあわてないための準備が、気持ちよく終わるコツです。
返却するものリスト|健康保険証の扱いが変わりました
要点:従来の健康保険証は2025年12月2日以降使えなくなり、返却も原則不要になりました。代わりに、資格確認書の交付を受けている場合は返却が必要です。
まず、多くの記事や社内資料がまだ更新できていない点から確認します。2025年12月1日に全ての健康保険証の有効期限が切れ、同年12月2日以降は従来の健康保険証が利用できなくなりました。以降は、マイナ保険証か資格確認書を使う仕組みに移行しています。
出典:デジタル庁「マイナンバーカードの健康保険証利用」。内容を確認する(デジタル庁)
これにより、退職時に返すものも変わりました。整理すると次のとおりです。
マイナ保険証を利用している方には利点があります。デジタル庁の案内によれば、就職・転職の後も、新しい健康保険証の発行を待たずに手元のマイナンバーカードをそのまま使えます。ただし新しい保険者への加入手続き自体は必要です。
保険関係以外の返却物は、これまでと変わりません。
- 社員証・入館カード・名札
- 白衣・制服など貸与された衣類
- 鍵・ロッカーの鍵、貸与のパソコンや備品
- 名刺、業務で使った資料やデータ、通勤定期券(現物支給の場合)
- 業務上知り得た情報の控え(個人情報を含む資料は持ち出さない)
特に薬剤師の職場では、患者の個人情報を含む資料やデータの扱いに注意が必要です。私物と業務上の資料が混ざらないよう、整理しながら返却しましょう。
意外と忘れがちなのが、自分のスマートフォンに入れた業務用の連絡先や、共有フォルダに残した個人的なメモです。情報の持ち出しはトラブルのもとになるので、業務に関わるデータは職場に残し、私物は私物として分けて整理しておきましょう。
受け取る・確認する書類
要点:主要な書類は当日には受け取れません。「いつ・どの方法で届くか」と送付先の住所を、最終出勤日に必ず伝えておきましょう。
退職にあたっては、受け取るべき書類があります。当日に渡されるものと、後日郵送されるものがあるため、いつ受け取れるかを確認しておきましょう。
離職票や源泉徴収票は当日に受け取れないことが多いため、いつ・どの方法で届くかを退職前に確認しておくと安心です。次の職場がすでに決まっている場合でも、源泉徴収票は年末調整で必要になるので、必ず受け取れるようにしておきましょう。
退職後に書類が届かず、結局元の職場に連絡することになった、という話はよく聞きます。最終出勤日に「いつ・どの書類が届くか」を担当者と確認し、送付先の住所も伝えておくと、退職後のやり取りをぐっと減らせます。離職票は10日から2週間、源泉徴収票は1か月がひとつの目安なので、それを過ぎても届かなければ問い合わせてみましょう。
最終出勤日に確認しておきたい、退職後の期限
要点:退職後の手続きには期限があります。とくに健康保険の任意継続は20日以内と短いため、最終出勤日のうちに方針を決めておきましょう。
最終出勤日は、退職後の手続きについて職場に質問できる最後の機会でもあります。次の期限は、知らずに過ぎてしまうと選択肢が消えるものです。
とくに住民税の一括徴収は、最後の給与の手取りに直結します。1月から5月に退職する方は、いくら引かれるのかを最終出勤日までに確認しておくと、退職後の資金計画が立てやすくなります。
任意継続の20日という期限は、本当にあっという間です。退職して気が抜けているうちに過ぎてしまった、という話を何度か聞きました。次の職場まで空白がある方は、最終出勤日のうちに「任意継続と国民健康保険、どちらが安いか」を試算しておくことをおすすめします。
挨拶回りのマナーと順序
要点:上司、お世話になった方、職場全体の順。簡潔で構いません。退職理由を細かく説明する必要はありません。
最終出勤日の挨拶は、最後の印象を左右します。薬剤師業界は狭く、転職先で前の職場の関係者とつながることも珍しくありません。気持ちよく送り出してもらえるよう、丁寧に行いましょう。
挨拶の順序と伝え方
まずは直属の上司、次にお世話になった先輩や同僚、最後に職場全体へ、という順序が基本です。長々と話す必要はなく、これまでの感謝と、引き継ぎは済んでいる旨を簡潔に伝えれば十分です。退職理由をあらためて細かく説明する必要はありません。
患者さんへの対応は職場の方針に従う
薬局や病院で長く働いていると、顔なじみの患者さんから「次はどこの薬局に行くの」と聞かれることがあります。転職先を伝えてよいかどうかは、職場の方針に従ってください。個人的な連絡先の交換も、トラブルの原因になり得るため慎重に判断しましょう。
菓子折りや手紙は必須ではない
菓子折りや感謝の手紙は必須ではありませんが、用意すると印象よく締めくくれます。渡す場合は、休憩室などに置いて一言添える形が一般的です。高価なものである必要はなく、気持ちが伝わる程度で十分です。
最終出勤日の挨拶は、不満があっても前向きな言葉で締めくくるのが鉄則です。「お世話になりました」と笑顔で去った人のことは、周りも気持ちよく覚えていてくれます。狭い業界だからこそ、最後の印象を大切にしておくと、思わぬところで巡り巡って自分を助けてくれます。
最終出勤日に忘れがちなこと
要点:有給消化がある場合、最終出勤日と退職日は別の日です。どちらの日に何をするかを整理しておきましょう。
慌ただしい最終出勤日には、つい見落としがちなことがあります。退社前に次の点を最終チェックしましょう。
- ロッカーやデスクの引き出しに私物が残っていないか
- 業務用のパソコンや共有フォルダに、引き継ぎ漏れのデータがないか
- 返却物にすべて漏れがないか、受け取る書類を確認したか
- 後日届く書類の送付先住所を伝えたか
- 退職後の手続きについて、担当者の連絡先を控えたか
- 有給休暇を消化してから退職する場合、最終出勤日と退職日が異なる点を整理したか
有給休暇をまとめて消化してから退職する場合、最終出勤日と退職日(在籍最終日)が異なります。返却物や書類のやり取りは最終出勤日に済ませておくのが基本なので、どちらの日に何をするのかを事前に整理しておくと混乱しません。
最終出勤日のあとに有給消化期間がある場合、その間も在籍扱いです。資格確認書をいつ返すか、貸与品をいつまでに返すかは職場によって扱いが違うので、最終出勤日に担当者と確認しておくと、後で困りません。
よくある質問
まとめ
- 当日の流れは、業務の最終確認と引き継ぎ仕上げ、私物整理、返却、書類確認、挨拶の順
- 従来の健康保険証は2025年12月2日以降使えなくなり、返却も原則不要に。資格確認書の交付を受けている場合は返却する
- マイナンバーカードは返却不要。転職後もそのまま使えるが、新しい保険への加入手続きは必要
- 受け取る書類は離職票(目安10日から2週間)・源泉徴収票(法定1か月以内)など。後日郵送が多い
- 健康保険の任意継続は資格喪失日から20日以内。1月から5月の退職は住民税が一括徴収されるのが原則
- 挨拶は上司から職場全体へ。前向きな言葉で締めくくると印象がよい
- 有給消化で最終出勤日と退職日が異なる場合は、返却と書類のタイミングを整理する
最終出勤日は、これまでの職場とお別れする大切な一日です。返却物と受け取る書類をリスト化し、感謝を込めて挨拶をすれば、気持ちよく次のステージへ進めます。薬剤師業界は狭いからこそ、最後まで誠実に締めくくることが、これからのキャリアにもきっと生きてきます。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。健康保険証および資格確認書に関する記述はデジタル庁「マイナンバーカードの健康保険証利用」、源泉徴収票の交付は所得税法、退職証明書は労働基準法22条、健康保険の任意継続は健康保険法に基づいています。返却物や受け取る書類、その受け渡しのタイミングは勤務先や加入する健康保険組合によって異なります。詳細は勤務先の人事担当者、住所地の市区町村、年金事務所などにご確認ください。

