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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
横浜・川崎・相模原と3つの政令指定都市を抱える神奈川県は、薬剤師の求人が豊富な人気エリアです。「都会だから年収も高いはず」と思いきや、統計を見ると意外な事情が見えてきます。
結論から言うと、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から算出した神奈川県の薬剤師の平均年収は約514.0万円で、47都道府県中44位でした。ただし、神奈川県の薬剤師は平均年齢が33.6歳と全国で2番目に若く、勤続年数も全国で2番目に短いという特徴があります。平均が低いのは、若い薬剤師が多く集まる県だからという面が大きいのです。
この記事では、神奈川県の薬剤師の年収を月給・賞与・男女別まで分解し、首都圏の他都県との比較、平均が低めに出る理由、神奈川で年収を上げる考え方を、公的な統計をもとに整理しました。
- 令和7年の統計で見る神奈川県の薬剤師の平均年収と、その内訳
- 年齢・勤続年数・労働時間から見る「平均が低めに出る理由」
- 首都圏4都県(神奈川・東京・埼玉・千葉)の年収比較
- 神奈川で年収を上げるための考え方と、統計を読むときの注意点
神奈川県の薬剤師の平均年収
令和7年賃金構造基本統計調査(都道府県別第3表)の薬剤師の値から、「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で年収を算出しました(10人以上の事業所)。
月給は全国より約4万円低く、47都道府県で3番目に低い水準です。一方、賞与は全国より約4.8万円低いだけで、差の大部分は月給から生まれています。神奈川県の転職事情全体は神奈川の薬剤師転職ガイドで解説しています。
所定内給与を所定内労働時間で割った時間あたりの給与で比べると、神奈川県は約2,220円、全国は約2,350円で、差は約6%です。月給の差(約10%)より小さく、月給の低さの一部は、働く時間が短いことから来ていると分かります。求人を比べるときは、月給だけでなく、1日の勤務時間や月の勤務日数まで確認して、時間あたりの待遇で比べるのがおすすめです。
男女別に見た神奈川の薬剤師
男女とも平均年齢は33歳台と若く、男女の年収差は約15万円と全国の約66万円よりずっと小さくなっています。フルタイムの薬剤師のうち女性は約59%で、全国とほぼ同じ割合です。
神奈川の数字を見て「給料が安い県」と考えるのは早計です。平均年齢33.6歳というのは、20代・30代前半の薬剤師がとても多いということ。自分と同じ年代・経験年数で比べれば、神奈川の条件が極端に悪いわけではありません。
平均が低めに出る3つの理由
神奈川県は、統計の対象となった薬剤師の数(推計約1万3,000人)が47都道府県で最も多い県です。若い薬剤師が大勢働く大きな市場であることが、平均年収を押し下げていると考えられます。反対に言えば、経験を積んだ薬剤師は、相対的に希少な存在として評価されやすい環境でもあります。
若い薬剤師が多い職場では、教育係や管理薬剤師を任せられる経験者が不足しがちです。5年、10年と経験を積んだ薬剤師にとって、神奈川は「経験を評価してもらいやすい市場」でもあります。転職の面接では、後輩の指導経験なども積極的に伝えてみてください。
首都圏4都県の年収比較
首都圏では千葉県が最も高く、神奈川県との差は約100.9万円です。東京都も約538.8万円と全国平均を下回っており、「東京に通えば年収が上がる」とは限らないのが統計から見える実態です。47都道府県の比較は都道府県別の転職ガイドにまとめています。
神奈川に住みながら東京で働く人は多いですが、年収だけを理由に都内へ通う必要はありません。通勤時間を含めた時間あたりの収入で比べると、県内の職場のほうが割がいいこともあります。生活全体で判断するのがおすすめです。
神奈川で年収を上げる考え方
神奈川は横浜・川崎の都市部から、県西部の郊外まで、エリアによって薬剤師の集まり方が違います。県の平均だけで判断せず、通える範囲の求人を広く比べてみることが大切です。
年収を上げたいなら、今の経験年数で管理薬剤師を目指せる職場かどうかを、まず確認してみてください。若手が多い神奈川では、経験者に早めに役職を任せる職場もあります。求人票に書かれていないことも多いので、エージェント経由で確認するのが確実です。
神奈川の年収データを読むときの注意点
県の平均は、傾向をつかむための目安です。神奈川県は対象者の数が全国で最も多いため、他の県に比べれば数字は安定しやすいものの、それでも年による動きはあります。複数年の傾向で判断しましょう。実際の年収は、職場の種類・役職・経験年数で大きく変わります。職場別の年収は職場別の薬剤師の年収で比較できます。
統計の平均は、自分の相場を知るための物差しの一つとして使ってください。最終的には、応募を考えている求人の条件を、同じ年代・同じ職場の数字と比べて判断するのが失敗しないコツです。
よくある質問
まとめ
神奈川県の薬剤師の年収について、要点を整理します。
- 神奈川県の平均年収は約514.0万円で全国44位(令和7年)
- 平均年齢・勤続年数とも全国で2番目に低く、若い薬剤師が多いことが平均を押し下げている
- 首都圏では千葉県(約614.9万円)が最も高く、東京都も全国平均以下
- 経験者は評価されやすい市場。管理薬剤師・在宅・住宅補助を軸に比べる
神奈川は平均年収こそ低めですが、全国最大規模の市場で、経験を積んだ薬剤師が評価されやすい環境でもあります。求人の多さを活かして、自分の経験に見合う職場を比べながら探していきましょう。

