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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
「東京なら薬剤師の年収も高いはず」。そう考える人は多いかもしれません。しかし統計を見ると、東京の薬剤師の年収は全国平均を下回っています。
結論から言うと、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から算出した東京都の薬剤師の平均年収は約538.8万円で、全国平均の約566.8万円を約28万円下回ります。首都圏の4都県で比べると、千葉県の約614.9万円、埼玉県の約572.7万円に次ぐ3番目です。
この記事では、東京の薬剤師の年収データを月給・賞与・男女別まで分解し、首都圏の他県との比較、年収が上がりにくい理由、東京で年収を上げる方法を、公的な統計をもとに整理しました。
- 令和7年の統計で見る東京都の薬剤師の平均年収と、その内訳
- 首都圏4都県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の年収比較
- 東京で年収が上がりにくい3つの理由
- 東京で年収を上げるための職場選びと、統計を読むときの注意点
東京都の薬剤師の平均年収
令和7年賃金構造基本統計調査(都道府県別第3表)の薬剤師の値から、「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で年収を算出しました(10人以上の事業所)。
全国と比べて、月給は約1.7万円、賞与は約8万円低く、両方が年収を押し下げています。残業時間は全国と同じ水準です。東京の転職事情全体は東京の薬剤師転職ガイドで解説しています。
男女別に見た東京の薬剤師
東京の薬剤師(フルタイム)のうち、女性は約70%を占め、全国の約59%より高い割合です。男性の平均年齢は33.4歳と全国の男性(40.8歳)より7歳以上若く、東京では若い男性薬剤師の割合が高いことが、平均年収を押し下げる一因になっていると考えられます。
東京の数字が全国平均より低いと聞くと驚くかもしれませんが、これは「東京の薬剤師の給料が安い」というより、若い人が多く集まる街だという面が大きいと感じます。自分と同じ年代・経験年数の人と比べることが大切です。
首都圏4都県の年収比較
首都圏では千葉県が最も高く、東京都より約76.1万円高くなっています。千葉県・埼玉県は月給が42万円台と東京より高く、千葉県は賞与も全国平均を上回ります。東京に住みながら千葉県・埼玉県の職場に通う、という選択で年収が上がる可能性もあります。47都道府県の比較は都道府県別の転職ガイドにまとめています。
一方、神奈川県は約514.0万円と4都県で最も低く、平均年齢は33.6歳と4都県で最も若くなっています。首都圏の中でも、若い薬剤師が多く集まる都県ほど平均年収が低く出る傾向が見て取れます。平均年齢が近い千葉県(40歳)と東京都(38.9歳)の間でも約76万円の差があり、年齢だけでは説明できない地域差もあることが分かります。
都内在住でも、通勤圏には千葉県や埼玉県の薬局がたくさんあります。求人を探すときに「都内」だけに絞らず、通える範囲の県外まで広げてみると、同じ通勤時間で条件の良い職場が見つかることがあります。
東京で年収が上がりにくい3つの理由
反対に、薬剤師が不足している地方では、給与や手当を上乗せして人を集める求人が出やすくなります。地方と都市の差がなぜ生まれるのかは、地方と都市の年収の違いで詳しく解説しています。
東京は求人の数が多い分、「条件を比べて選べる」という強みがあります。年収の平均が低くても、一つひとつの求人を比べれば、相場より高い条件の職場は必ずあります。数の多さを味方につけて、比較して選ぶのが東京での転職のコツです。
東京で年収を上げるための職場選び
東京は生活費、とくに家賃が高いため、額面の年収だけでなく、住宅補助を含めた手取りで比べることが大切です。同じ年収でも、借り上げ社宅があるかどうかで、手元に残るお金は大きく変わります。
東京で年収を上げたいなら、まず管理薬剤師を目指せるかを確認し、次に住宅補助の有無を比べるのが近道です。好条件の求人は公開されないこともあるので、転職エージェントに「東京で年収を上げたい」と具体的に伝えて探してもらうと効率的です。
東京の年収データを読むときの注意点
賃金構造基本統計調査は国の基幹統計で信頼性は高いものの、都道府県別の薬剤師の値は、次の点に注意して読む必要があります。
つまり、県の平均は「東京で働いたら必ずこの年収」という意味ではなく、傾向をつかむための目安です。実際の年収は、職場の種類・役職・経験年数で大きく変わります。職場別の年収は職場別の薬剤師の年収で比較できます。
統計の平均は、自分の相場を知るための「物差しの一つ」として使うのがおすすめです。最終的には、実際に応募を考えている求人の条件を、同じ年代・同じ職場の数字と比べて判断してください。
よくある質問
まとめ
東京の薬剤師の年収について、要点を整理します。
- 東京都の薬剤師の平均年収は約538.8万円(令和7年)。全国平均を約28万円下回る
- 月給・賞与とも全国より低め。若い男性薬剤師の割合の高さも平均を押し下げている
- 首都圏では千葉県(約614.9万円)が最も高く、近県への通勤も選択肢になる
- 管理薬剤師・企業・近県の職場と、住宅補助を含めた手取りの比較が年収アップの鍵
東京は年収の平均こそ高くないものの、求人の数が多く、比べて選べるのが強みです。自分の経験と希望に合う職場を、手取りまで含めて比べながら探していきましょう。

