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くらげ|現役薬剤師。調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信。薬剤師目線でエージェントを徹底調査しています。
「薬剤師は男女で年収に差があるの?」「あるとしたら、なぜ?」。データを見ると、たしかに男女の平均年収には差があります。ただし、その正体を知ると、見え方が変わってきます。差は能力や資格の違いではなく、働き方の違いから生まれているのです。
この記事では、薬剤師の男女の年収差の実態、差が生じる構造的な理由、年代による差の広がり方、差を解消する方法を、現役薬剤師の目線で整理します。データを正しく理解し、自分のキャリアに生かしてください。
- 薬剤師の男女の年収差の実態(最新データ)
- なぜ男女で差が生じるのか、その構造的な理由
- 年代によって差がどう広がり、縮まるか
- 個人でできる年収差の解消方法
- 職場や社会の側で進む両立支援の動き
薬剤師の男女の年収差の実態
国の令和6年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の平均年収は男女で次のようになっています。差は約95万円です。
| 区分 | 平均年収 |
|---|---|
| 男性薬剤師 | 約651万円 |
| 女性薬剤師 | 約556万円 |
| 男女合わせた平均 | 約599万円 |
差があるとはいえ、全産業の平均(男性約591万円、女性約419万円)と比べると、薬剤師は男女とも高い水準にあります。とくに女性薬剤師の年収は、他の職種の女性と比べて高めです。資格職である薬剤師は、女性にとっても収入を得やすい職業だといえます。
※数値は国の令和6年賃金構造基本統計調査をもとにした目安です。算出方法や調査年により変わります。
「約95万円の差」と聞くと大きく感じますが、これは全国の平均を単純に比べた数字です。同じ職場で同じ働き方をしていれば、男女で給料に差はつきません。平均に差が出るのには、ちゃんとした理由があります。数字だけを見て落ち込む必要はまったくありません。
なぜ男女で年収差が生じるのか
大前提として、同じ仕事を同じように続けていれば、薬剤師の給料に男女の差はありません。それでも平均に差が出るのは、主に働き方の違いによるものです。理由を整理しました。
- 働き方の変化|女性は出産や育児を機に、時短勤務やパートに切り替える人が多く、その間は年収が下がりやすくなります。
- 勤続年数や昇進の差|キャリアを一時中断すると、昇進や役職に就くタイミングが遅れ、年収に影響します。
- 平均年齢の違い|統計上、男性のほうが平均年齢が3歳ほど高く、年功のぶん平均年収も上がりやすくなります。
- 管理職に就く割合の差|管理薬剤師など責任ある役職に就く割合が、男性のほうが高い傾向があります。
いずれも、能力や資格の差ではなく、ライフイベントに伴う働き方の選択から生まれる差です。裏を返せば、働き方を整えれば、差は十分に縮められるということでもあります。
年代別に見る男女差の広がり方
男女の年収差は、どの年代でも同じというわけではありません。年齢によって、差が広がったり縮まったりします。
差が大きくなりやすいのは、30代後半です。ちょうど出産や育児で働き方を変える女性が多い時期で、男性が順調に年収を伸ばす一方、女性は横ばいになりやすいためです。一方で、子育てが一段落する40代後半から50代にかけて、女性も再びフルタイムや責任ある役割に戻り、年収を伸ばす人が増えます。薬剤師全体の年収は、50代前半でピークの約745万円に達します。
つまり、男女差は人生のある時期に一時的に広がるもので、固定されたものではありません。同じフルタイムどうしで比べれば、差はぐっと小さくなります。
私の周りでも、30代でいったんパートになり、子育てが落ち着いた40代でフルタイムに戻って管理薬剤師になった女性が何人もいます。薬剤師は資格があるから、ブランクがあっても戻りやすい。年収差は「人生のある時期の一時的なもの」と捉えれば、必要以上に焦らずキャリアを描けます。
男女の年収差を解消する方法
差の原因が働き方にあるなら、働き方を整えることで差は縮められます。個人でできることと、職場や社会の側で進む動きの両面から見てみましょう。
個人でできること
- 無理のない範囲でフルタイムを続ける、または早めに復帰する
- 管理薬剤師など責任ある役職に挑戦し、収入を伸ばす
- 認定資格や専門性を高め、評価につなげる
- 転職の際に年収交渉を行い、適正な待遇を得る
職場や社会の側で進む動き
近年は、仕事と家庭の両立を支える制度が広がっています。育児中の短時間勤務や、復帰しやすい仕組み、女性の管理職への登用を進める職場も増えてきました。こうした環境が整うほど、男女の差は自然と縮まっていきます。転職先を選ぶときは、両立支援に積極的な職場かどうかを確認するとよいでしょう。
年収差を縮めるいちばんの近道は、自分に合った職場を選ぶことです。同じ薬剤師でも、両立支援が手厚く、女性が長く活躍している職場なら、ブランクがあっても年収を取り戻しやすい。求人を見るときは「育児中の薬剤師がどのくらい働いているか」を、エージェントに聞いてみるのがおすすめです。女性が年収を上げる具体的な戦略は、別の記事でも詳しく解説しています。
よくある質問
まとめ
- 薬剤師の平均年収は男性約651万円・女性約556万円で、差は約95万円
- 同じ仕事なら男女に賃金差はなく、差は働き方や勤続・年齢の違いから生じる
- 差は30代後半に広がりやすく、子育てが落ち着く40代後半以降に縮まる
- フルタイム継続・管理職・資格・年収交渉で、個人でも差を縮められる
- 両立支援が手厚い職場を選ぶことが、差の解消につながる
薬剤師の男女の年収差は、能力ではなく働き方の違いから生まれる、構造的で一時的なものです。資格職という強みを生かせば、ライフイベントを経ても年収はしっかり取り戻せます。大切なのは、自分のライフステージに合い、長く活躍できる職場を選ぶこと。気になる職場があれば、両立支援の実態や女性の働き方について、転職エージェントに確認してみてください。
※本記事の年収データは国の令和6年賃金構造基本統計調査をもとにした目安で、算出方法や調査年、地域・職場・役職により異なります。最新の正確な数値は公的機関の発表でご確認ください。

