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くらげ|現役薬剤師。急性期病院・一般病院・調剤薬局で管理薬剤師を経験し、現在も調剤薬局に勤務しながら転職情報を発信しています。
「もっと休みの多い職場で働きたい」「年間休日が多い転職先を知りたい」。プライベートの時間を大切にしたい薬剤師にとって、年間休日数は職場選びの大事な指標です。実は、同じ薬剤師でも転職先によって年間休日には大きな差があります。
最初に、判断の基準になる数字を押さえておきましょう。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると、令和6年1年間の年間休日総数は労働者1人平均116.6日、1企業平均112.4日で、いずれも昭和60年以降で最も多い水準です。そして年間休日を階級別に見ると「120〜129日」が37.3%で最多。つまり120日台は「特別に多い」というより、いまや最大のボリューム層です。
この記事では、年間休日の目安、転職先別の傾向、選び方、そして数字だけで判断しない注意点までを、公的データに当たりながら整理します。職場ごとの働き方を先に把握したい方は、薬剤師の転職先一覧もあわせてご覧ください。
- 年間休日の全国平均と分布(公的統計ベース)
- 年間休日105日が「下限」になる法律上の理由
- 転職先別の年間休日の傾向
- 「完全週休2日制」と「週休2日制」の正確な違い
- 数字だけで判断しない注意点
年間休日の平均と分布|どこからが「多い」のか
感覚ではなく統計から入りましょう。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査(令和6年1年間の実績)が示す数字は次のとおりです。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」(令和6年1年間または令和5会計年度の実績)。2026年9月時点。
ここから読み取れることが2つあります。ひとつは、「年間休日120日以上」は特別に恵まれた条件ではなくなってきているということ。120〜129日が37.3%で最多層です。もうひとつは、企業規模が大きいほど休日が多いという明確な傾向です。同じ調剤薬局でも、大手チェーンと個人薬局では前提が違います。
ただし、これは全産業の平均です。薬剤師の求人には100日から110日程度のものも珍しくありません。だからこそ、「120日以上」を最初のふるいにかける基準として使うのは有効です。
なぜ「105日」が下限と言われるのか
求人でよく見る「年間休日105日」には、計算上の根拠があります。労働基準法第32条は、労働時間を原則として1週40時間・1日8時間以内と定めています。1日8時間で働くなら、週40時間を満たす勤務日数は週5日。1年を約52週として計算すると、働ける日数は年間およそ260日です。365日から260日を差し引くと、年間休日は約105日が計算上の下限になります。
つまり「年間休日105日」は、1日8時間勤務の職場としてはほぼ最低ラインということです。120日との差は15日。1年で2週間以上、休める日が違ってきます。
105日と120日、数字で見ると「15日の差」ですが、体感はまるで違います。月に1日以上、休みが増える計算です。ここを妥協して入ると、あとから効いてきます。まずは120日を基準に、自分の希望と照らし合わせてみてください。
転職先別の年間休日の傾向
主な転職先ごとの傾向を整理しました。年間休日は求人ごとに設定されるもので、業態別の公的統計は存在しません。以下は休日が「何に連動して決まるか」という構造から見た傾向です。
ここで大事なのは、「休日の日数」と「休日の曜日」を分けて考えることです。ドラッグストアは年中無休のイメージから休みが少ないと思われがちですが、大手チェーンでは年間休日を確保している会社もあります。本質的な違いは日数ではなく、休みの曜日を選べるかどうかです。子どもの行事や家族との予定を優先したいなら、この観点が決定的になります。
両者の違いをさらに詳しく比べたい方は調剤薬局とドラッグストアの8軸比較、門前と面分業で休診日の連動がどう変わるかは面薬局とは?門前薬局との違いで整理しています。
「年間休日◯日」だけで比べていると、大事なところを見落とします。私の周りで転職後に後悔した人の多くは、日数ではなく曜日でつまずいています。土日に休めるか、シフトの希望はどれくらい通るか。ここを面接で必ず確認してください。
「実際に休めているか」は、求人票では分かりません
有給の消化率、休日出勤の頻度、シフト希望の通りやすさ。内部の人でないと見えない情報です。薬局に強い会社、病院に強い会社、企業求人に強い会社はそれぞれ別。目的別の使い分けから確認してみてください。
薬剤師転職エージェントの比較を見る「完全週休2日制」と「週休2日制」は別物です
求人票でいちばん誤解されやすいのが、この2つの言葉です。厚生労働省の就労条件総合調査は、「何らかの週休2日制」を次の2つに分けて集計しています。
完全週休2日制|1年を通じて毎週2日の休みがある制度。令和7年調査では、何らかの週休2日制を採用する企業92.6%のうち65.5%がこれに該当します。
完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度|厚生労働省の定義では「月3回、隔週、月2回、月1回の週休2日制等」。企業割合は27.1%です。求人票で単に「週休2日制」と書かれている場合、この区分に入る可能性があります。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」(週休制の形態別企業割合および用語の定義)。2026年9月時点。
つまり「週休2日制」という表記は、月1回だけ週2日休める運用まで含み得る言い方です。「完全」の2文字があるかどうかで、年間の休日数は大きく変わります。年間休日数の表記とセットで確認してください。
「週休2日制」と書いてあったから毎週2日休めると思っていた、という話は本当によく聞きます。厚労省の定義では月1回の週2日休みでも「週休2日制」なんです。求人票で見つけたら、必ず「完全」がついているかを確認してください。この2文字で年間15日以上変わることもあります。
休みの多い転職先の選び方
年間休日が多い職場を見つけるための、具体的な進め方を整理しました。
- 求人票の「年間休日数」を必ず数字で確認する(記載がない求人は要注意)
- 120日以上を最初のふるいにする(階級別では120〜129日が最多層)
- 「完全週休2日制」か「週休2日制」かを確認する
- 日数だけでなく「休める曜日」を確認する
- 規模の大きい会社も候補に入れる(企業規模が大きいほど休日は多い傾向)
- 有給の取得率と、休日出勤・休日研修の有無をエージェントに確認する
休日以外の観点もあわせて考えると、より納得のいく選択ができます。残業や当直の実態は調剤薬局と病院薬剤師の残業を比較、病院やオンコールのある職場を検討するなら薬剤師のオンコールの実態が参考になります。勤務日数そのものを調整したい場合は、薬剤師のパート転職完全ガイドという選択肢もあります。
数字だけで判断しない注意点
年間休日数は大事な指標ですが、数字だけで判断すると思わぬギャップが生じます。確認しておきたい注意点を整理しました。
- 年間休日120日とあっても、学会・勉強会・研修が休日に入ると実質的に休めない
- 有給休暇の取得率もあわせて確認する(全国平均は66.9%。付与18.1日に対し取得12.1日)
- 当直がある職場では、明け休みが年間休日に含まれるのかを確認する
- 1人薬剤師の店舗では、日数があっても実際には休みにくいことがある
- 同じ業種・同じ会社でも、店舗や配属先によって実態は大きく異なる
とくに押さえておきたいのが有給の取得率です。年間休日が120日でも有給がまったく取れない職場と、110日でも有給を10日消化できる職場では、実際に休める日数はほぼ並びます。全国平均の取得率は66.9%。「年間休日+実際に取れる有給」で比べるのが、いちばん実態に近い見方です。
こうした実態は求人票では分かりません。面接で「昨年度の有給取得率」「休日の勉強会の頻度」を具体的に聞くか、転職エージェントに確認してもらうのが確実です。失敗のパターンを先に知っておきたい方は薬剤師が転職で失敗する理由もあわせてご覧ください。
面接で「有給の取得率はどのくらいですか」と聞くのは、まったく失礼ではありません。むしろ答えを濁す会社のほうが要注意です。数字ですぐ答えてくれる会社は、たいてい管理がしっかりしています。聞き方ひとつで、職場の体質が見えてきます。
よくある質問
まとめ
- 年間休日の全国平均は労働者1人平均116.6日、1企業平均112.4日(令和7年就労条件総合調査)
- 階級別では120〜129日が37.3%で最多。120日台はいまや最大のボリューム層
- 年間休日105日は、1日8時間勤務の計算上の下限(労基法の週40時間・1日8時間から算出)
- 企業規模が大きいほど年間休日は多い傾向
- 「週休2日制」は月1回の週2日休みも含み得る表記。「完全」の2文字を確認する
- 日数と曜日は別問題。家族との予定を重視するなら曜日を優先して確認する
- 「年間休日+実際に取れる有給」で比べる(有給取得率の全国平均は66.9%)
年間休日は、休みを重視する薬剤師にとって職場選びの大切な指標です。120日以上を最初のふるいにしつつ、「完全週休2日制か」「曜日は選べるか」「有給は実際に取れるか」の3点まで確認できれば、入ってからのギャップはかなり減らせます。進め方の順番は薬剤師の転職の流れで整理しています。
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この記事で参照した公的情報
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」(年間休日総数・週休制の形態・年次有給休暇の取得状況)
- 労働基準法 第32条(労働時間)、第35条(休日)
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。就労条件総合調査は全産業を対象とした統計であり、薬剤師に限定した数値ではありません。年間休日数や休日の実態は職場・時期によって異なります。詳細は各求人票および勤務先の就業規則にてご確認ください。

